「アジアの力見せる」 主演の北村一輝さんが来イ 日イ合作映画「キラーズ」

 インドネシアと日本の合作映画「キラーズ」(モー・ブラザーズ監督)の制作がこのほど、ジャカルタで発表された。日活とインドネシアのゲリラ・メラ・フィルムズが共同制作。俳優の北村一輝さん(43)が、金融マンとして成功を収める一方、人を殺すことに快楽を見出す「殺人鬼」野村を演じる。ジャカルタでの撮影のため9月末まで約10日間の予定でインドネシア入りした北村さんに話を聞いた。(上野太郎、ラフィナ記者、写真も)

 作品は、野村がインターネットを通じて流した殺人の映像を見たインドネシアのジャーナリスト、バユ(オカ・アンタラ)との交信をきっかけに、日本とインドネシアの両国を舞台に繰り広げられるサイコスリラー。
 出演を決めるまでの経緯について、北村さんは「最初はあまりにもショッキングで台本を見てもまったく理解できなかった」と振り返る。しかし、監督と日本で会い、「アジア人として、一緒に世界に向けて発信していきたい。アジアのパワーを見せていきたい」との意気込みを聞いた。「白人に勝ちたいとか、一番になりたいとか競う必要もないのですが、日本人でも中国人でも韓国人でもインドネシア人でも近い国の人たちが力を合わせて頑張れるのなら」と、「同じアジア人としてぜひ一緒にチームに入りたい」と決断した。
 監督の作品の映像が持つパワーに惹かれたのも理由の一つ。「俳優は普通、台本を読んで決めることがほとんど。一方で『それだけじゃないな』という考えもあった。自分が分からない世界でもチャレンジしたり、やってみたいなと思った」
 初めての来イ。「日本の多くの人がバリ島のイメージしか持っていないだろうし、僕自身もジャカルタの情報はまったくなかった。実際来てみて『最高』です。食べ物はおいしいし、人はやさしい。現場でも、我が強い人も少なく、協調性があって、日本人と感覚が似ている。毎日、何のストレスもなく(撮影を)やっている。ただ渋滞は想像以上にすごかった」と話す。
 次々と人を手に掛けていく凶悪な殺人鬼という役柄を「今まで演じた役の中で最もひどくて、怖い。ひどい人間だからやらないのではなく、共感できる部分がないことは分かってやっている」と評する。撮影にあたり、体重を減らすように監督から言われ、太っている役柄だった前作の撮影から1週間の間、野菜しか食べずに6、7キロ体重を落としたという。
 インドネシアの制作者や俳優と仕事をした感想を「どの国の俳優もお芝居が好きなんだなと。共演している人たちは非常にプロフェッショナル。日本の進め方と違うのはとにかく早い。すぐに本番に入るし、テストも1回あるかないか。絵のつながりとか街のノイズとかを気にせず、どんどん撮っていくのはすごいすてきなことだと思う。日本の2、3倍のスピードで進んで、出来上がりもすごいクオリティーの高いものが映っているので、テンションが上がるし、僕もやりやすい」と北村さん。
 インドネシアに住む在留邦人に対しては、「ここにいるみなさんが頑張っているので僕らも遊びに来れたり、映画の仕事もできる。元気が出るような作品をいっぱい作り、みなさんにパワーを与えることができればうれしい」とメッセージを送った。

◇公開は来年末を予定

 「キラーズ」の企画は、アジアを主舞台にした映画のプロデュースで活躍する牛山拓二氏が仲介役となり実現。キモ・スタンブル氏とティモ・チャフヤント氏のモー・ブラザーズがメガホンを取る。短編オムニバスで注目を浴び、2010年には初の長編作「ルマ・ダラ」を発表したインドネシア映画界の新鋭だ。
 今月末に日本で公開されるインドネシアのアクション映画「ザ・レイド」のギャレス・エバンス監督、三池崇史監督による実写版「ヤッターマン」などを手掛けた千葉善紀プロデューサーが制作陣に名を連ねる。
 「アヤット・アヤット・チンタ」のオカ・アンタラや女優ルナ・マヤのほか、イランの巨匠、アッバス・キアロスタミ監督作品で知名度を上げた高梨臨が出演。今月末までに撮影を終え、2013年後半から14年にかけて、インドネシアや日本などで公開予定。

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