日本のラーメンがここに! マンガブサール 新装開店の「東京食堂」
飲食店が立ち並び、歓楽街としても知られる西ジャカルタ・マンガブサール通りに今年1月、日本人に優しい新たな〝名店〟がオープンした。ラーメン店から鞍替えした「東京食堂」。料理長を務める日本人によるこだわりの味は、財布にも優しい価格帯で「軽く一杯」を実現する居酒屋として常連客を集める。
店頭に漂うたこ焼きのこうばしい香り。その横にはドラム缶型の立ち飲みテーブルが置かれ、東京・赤坂などで増える大衆居酒屋のようだ。そして厨房を囲むようにL字型のカウンター席があり、空調が効いた奥のテーブル席は仲間同士の小宴もいけそう。壁は真っ白。全体的にスタイリッシュな印象があり、居酒屋でありながら清潔感がある。
メニューを開くとホッとするような居酒屋メニューが並ぶ。枝豆、揚げ出し豆腐、鶏唐揚げなどの定番おつまみから、カレーライス、丼物、そして看板メニューでもあるラーメン。豚骨、味噌、しょう油、塩、そして坦々麺までそろっている。
目移りしながらも、おすすめというネギラーメンと焼き餃子を注文。ネギラーメンは豚骨ベースだがあっさりしていて、ピリ辛に炒められたシャキシャキのネギがアクセントになっている。焼きたての餃子は、中華料理店によくある肉がぎっしりした重たいものではなく、野菜と肉のバランスがとれた日本の餃子だ。特製の辛みダレをつけていただいた。
日本に留学経験のある社長のスハルヨ・アントンさん(36)は、「日本人、インドネシア人の両方から愛されるお店でありたい」と笑顔で話す。ビールとつまみ、そしてシメのラーメンを求める日本人のお客さんがメインだが、日本が好きな若いインドネシア人の利用も増えているという。
「だからインドネシア人のニーズを取り入れ、最近は朝食のブブール(お粥)の提供も始めた」。「TOYKO KITCHEN」の名で配車サービスグラブとゴジェックでのデリバリーにも対応している。
料理長の川崎達夫さん(38)は日本でラーメン店の修行を経て8年前、バリ島での開店を考えていた。その時にアントンさんと出会い、日本食へのこだわりで意気投合。はす向かいにあった「俺の家ラーメン」を開き、今年からリニューアルして和食店「東京食堂」となった。
「これからは焼き鳥や、お好み焼き、ビールの種類も増やしたい」と川崎さん。どんどんアイディアが出てくるようで「もっと居酒屋色を出したい」と話す。
店に来ていた日系企業に勤める西野公二さん(44)は、「お酒とおいしいラーメンが嬉しい。清潔感もあって安心して食べられる」という。同じく常連の加藤正和さん(44)は「コロナ禍で日本食レストランが少なくなったから、この店はありがたい」と話した。
「東京食堂」の営業時間は午前7時~午前3時ころまでだが、コロナ禍の影響で現在は午後9時までの毎日営業。ビジネス街やブロックMとはまた違うマンガブサール通りで、ビールと和食を気軽に楽しんでみてはいかがだろうか。
なお、4月6日まで、来店時に本日付紙面を持参すると会計が15%引(アルコール類含む)になる。(三好由華、写真も)
◇TOKYO KITCHEN
電話 021・6230・1779
住所 Jl. Mangga Besar Raya No 4B
Jakarta Barat