また会おう、ブロックMで コロナ禍の中でもらう勇気 ジャカルタ写真散歩

 「大規模社会的制限(PSBB)」の緩和延長を決めたジャカルタ。来イした菅義偉首相は両国間の往来簡素化の実現にも言及したが、新型コロナ問題に苦悩するこの社会は正常化への一歩を踏み出したのか? 摩天楼の輝きは取り戻したのか? 手元にあったフィッシュアイレンズをバッグに放り込み、スディルマン通りを走ってみた。 

 午後8時。朝刊の編集作業の真っ只中だが、同僚の協力を得てバイクにまたがった。事務所のあるタムリン通りをまず北上。モナス(独立記念塔)を横目に見ながらUターンし、ジャカルタの〝顔〟、ホテルインドネシア(HI)前のロータリーを目指してみる。
 ここは夕涼みをする庶民の憩いの場であり、この時間帯ならカップルのデートスポットでもあった。ところが、いつの間にか立ち入り禁止に。噴水前で撮る夜景写真はまるで絵はがきのように美しかったのに…。
 いったんは諦めかけたが、ドイツ大使館の横を通り抜け、ロータリーにある警察の詰め所に回ってみる。「夜景を撮りたいけどいいですか?」。PSBBの特別警ら中の警官3人に聞いてみると、にこやかに「ボレ(いいよ)」。バイクの駐車場所を指示し、撮影には邪魔だろうと警察車両も移動してくれた。
 なんとフレキシブル。これに甘えてはいけないが、コロナ禍にあっても柔軟な国民性は色あせていない。写真はもうひとつだが、「現場」を歩くことがいかに大切か改めて実感する。
 さて、次は世界13番目の超高層ビル都市の真骨頂ということで、スナヤン方面に向かってみた。だが、思いのほか苦戦することに。警官に加えて、警備員が大量に動員されており、バイクを止めようにも追いやられてしまう。そもそも多くの高層ビルは消灯しており、なんとも寂しい夜景しか撮れない。
 少々がっかりしたが、コロナ問題が招いた経済停滞で治安の悪化が危惧される中、このエリアは外国人が多く利用するアパートメントや商業ビルが林立している。事件でも起きれば投資の退潮といった事態も招きかねず、治安当局としても神経を尖らせているのかも知れない。気を取り直し、この日の終点としたブロックMに行ってみる。
 この時点で午後10時前。月曜日だったとはいえ、飲食はそれなりの人出を期待していた。が、赤提灯に灯が灯っているのはほんの一握り。人気もなく、ひっそりとしている。居たたまれぬ思いになったが、居合わせたインドネシア人の一言が勇気をくれた。
 ミスロンさん(37)。コロナ禍で勤めていたリース会社の経営が傾き、家族を養うためにも屋台を始めた。不定期ながら当地で店を出すのは、日本文化の交流イベント「リトル東京ブロックM縁日祭」で出会った日本人に「団結心」という言葉を教えてもらったからという。
 「がんばるよ。来年こそ、また『ENNICHISAI(縁日祭)』で日本のみんなと出会うためにも」(長谷川周人、写真も)

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