伝統芸能ワヤン鑑賞 本場、ジョクジャで ソノブドヨ博物館

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)「人類の無形文化遺産」に登録されている、影絵芝居「ワヤン」。街中ではワヤンで使用される操り人形をモチーフにしたデザインをよく見つけるが、実際の上映を見たことは一度もなかった。ジョクジャカルタを訪れた際、知り合いのインドネシア人に「ワヤンを見るなら本場のジョクジャで見なきゃ。ソノブドヨ博物館で上映しているよ」と教えてもらい、同博物館を訪れた。 

 同博物館は王宮前北広場に隣接している。ワヤンが上映されるのは、午後8時から10時までの2時間だ。ワヤンは本来、日が沈んでから明け方まで、一晩かけて演じられる。白いスクリーンに裏側から光を当て、操り人形の影を映し出す。博物館職員のスリスさん(50)は「現在も伝統を守り、操り人形の影がよく映えるように、夜に上映を行っている」という。
 午後7時半からチケットの販売が開始される。チケット窓口で日本人であると告げると、演目のあらすじや登場人物がまとめられている日本語のパンフレットをもらえる。語り手が話すのは古いジャワ語。スリスさんは、「インドネシア人でも、ただ見るだけでストーリーを完璧に理解するのは難しい。始まる前にパンフレットであらすじを確認するとよい」という。
 8時になると照明が暗くなり、いよいよ上映が始まる。スクリーンの裏には、ダランとよばれる人形遣いのほか、20人ほどのガムラン奏者が演奏をしている。観客はスクリーン表側から影絵芝居を楽しむことも、裏側から人形遣いやガムラン奏者を見学することもできる。上映中に席を立ち、違う角度から見てみたり、フラッシュ撮影でなければ写真を撮ったりすることもできる。間近で感じられるガムランの迫力ある演奏や、いくつもの操り人形を1人で操作し、語り手まで務める人形遣いの様子には圧倒される。たしかに、ストーリーを完璧に理解することは難しいのだが、一見の価値ありだ。
 同博物館では日中、ワヤンの操り人形を制作する様子も見学できる。人形は水牛の皮から作られ、美しい影が映るように手作業で細かな輪郭や模様を形作り、色をつける。50年近くワヤン職人を続けるユディさん(65)によると、「人形の大きさによるが、型を作るのに2週間、色を付けて微調整をするのに1週間、計3週間で一つの人形が完成する」という。
 同博物館ではワヤンの他、バティックやジャワの歴史、ジャワのイスラム文化などについても学ぶことができる。基本的には日本語ガイドが常駐しており、無料で案内や解説をしてくれるという。ジョクジャを訪れ、せっかくだからインドネシアの文化に触れたいという人にはおすすめの博物館だ。(小山倫、写真も)

◇ソノブドヨ博物館
住所 Jl. pangurakan No.6, Ngupasan, Kec.Gondomanan, Yogyakarta
☎ 274・385・664
博物館営業時間 午前8時~午後3時半(火~日曜)午前8時~午後2時(金曜)
ワヤン上映時間 午後8時~同10時(火~日曜)

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