「オオトカゲ」を食す ジャカルタ中心部に出現
「え? あれは」。ジャカルタのオフィス街を流れる川で、同僚と目を疑った。川のほとりに「オオトカゲ」が体を休めていた。ツイッターに投稿すると、ジャカルタで食べられるとのリアクション。お味は? ワルン(屋台)に向かった。
「オオトカゲ」に遭遇したのは、中央ジャカルタ区タムリン通りにある弊社オフィスの前を流れる川辺。昼下がりに体長が1メートル以上ありそうな「コモドドラゴン」のような姿があった。
動画に収め、ツイッターに投稿。「バリで遭遇」「唐揚げがおいしい」と返信があり、想像以上に「身近な」存在であることが分かった。
大きなトカゲは、東南アジアに生息する「ミズオオトカゲ」との情報もある。ジャカルタには、「ビアワック」(Biawak、意味はトカゲ)の店があり、美味という。
西ジャカルタ区のマンガブサールにある屋台「キングス・コブラ」(KING,S COBRA)に向かった。コブラ料理の店だが、メニューにはビアワックの串焼きもある。トカゲの姿を残した串焼きを期待したものの、すでに串刺しになった「ビアワック」を焼いてもらった。
甘辛いソースに付け食べてみると、肉は弾力があり、歯ごたえのある牛肉のような食感だった。味はソースの味が主で臭みはまったくなかった。同屋台で飼育するコブラと食べ比べると、コブラは軽めの鶏肉、ビアワックは骨太な牛肉の印象だった。
店主のリカさん(45)によると、ビアワックはバンテン州セラン市から仕入れている。串刺しになった状態で仕入れ、25キロ相当を10日ほどで売り切る。注文は8本から3万ルピア。1匹買いのコブラ(10万ルピア~)に比べ、お手ごろだ。
リカさんは20年近く、屋台街のマンガブサールで店を営む。目玉商品はコブラで、リカさんはさばきの腕を自分で磨いた。左腕には、「コブラにやられた」という古傷もあった。
「ビアワックは小さいころから家で食べていた」とリカさん。インドネシアの各地で一般的に食べられるという。マンガブサールにも、4~5軒の屋台でビアワックが食べられる。
同屋台は、ビアワックやコブラのほか、「トッケー(ヤモリ)やコウモリ」の料理も売りにしており、深夜を過ぎても串焼きや商品を買いに来る客でにぎわっていた。(木許はるみ、写真も)
◆KING,S COBRA
住所 Jl. Mangga Besar Rya, Samping
Hotel Sumi, Jakarta Barat
☎ 0821・9898・7052
営業 午後5時~翌午前3時