人気のダフラン氏喚問も 国会、質問権行使へ署名活動 大統領選向け駆け引き 国営企業の抵抗背景か

 各政党の国会議員がダフラン・イスカン国営企業担当国務相の施策を問題視し、国会へ喚問する「質問権」を行使する動きを見せている。昨年十月の内閣改造で初入閣したダフラン氏は飾らない言動に加え、旧態依然の国営企業の改革を断行する異端児ぶりを発揮、政治不信の有権者の間で人気が急上昇し、二〇一四年の大統領選への出馬も取りざたされるようになった。質問権行使の動きは、急激な改革に対する国営企業側の抵抗が背景にあり、大統領選出馬を妨害するためのものとの見方も上がっている。次期選挙をにらみ、ダフラン人気を取り込みたい政党間の駆け引きが今後も続くものとみられる。

 国会が政府の施策を質すことができる「質問権」や「調査権」は過去に、アブドゥルラフマン・ワヒド(グス・ドゥル)大統領の罷免やスリ・ムルヤニ蔵相の更迭につながったことがある。
 地元メディアによると、十八日までに、質問権行使へ向けた署名が各党から三十九議員分集まっている。質問権行使の理由として挙げられているのは、ダフラン氏が就任直後の昨年十一月に発した大臣令。同令で株主総会の承認を得ないで、国営企業担当国務相事務所の高官が国営企業の役員人事を決定できると規定した点が違法であると主張している。
 ゴルカル党のプリヨ・ブディ・サントソ国会副議長は、ダフラン氏の国営企業改革には賛意を示した上で「法に反する大臣令を発令するのは不適切だ」と批判した。
 一方、ユドヨノ大統領率いる民主党のラマダン・ポハン副幹事長は「(各党が質問権行使を狙っているのは)ダフラン氏を大統領選のライバルと見ているからではないか」との見方を示した。汚職事件で支持率低下を引き起こしているほか、憲法でユドヨノ氏の三選が不可能なため、後継者探しに苦心する民主党は、大統領選でダフラン氏の擁立を視野に入れているとみられている。

■閣僚の異端児
 ダフラン氏は週刊誌テンポの記者などを経て、スハルト政権崩壊後、わずか数年で東ジャワの地方紙だった大衆紙ジャワ・ポスを拠点に全国各地に地方紙を展開、国内最大の新聞ネットワークに成長させた立役者。
 不動産やエネルギー関連の事業にも次々と乗り出し、青年実業家として躍進、二〇〇九年には国営電力会社PLN社長に就任した。旧態依然の国有企業の体制を刷新した功績が評価され、昨年十月の内閣改造で国営企業相に抜擢された。
 PLN時代に社内報と称して施策を説明するエッセイが社内外で評判になり、書籍化されているほか、入閣後も持ち前の「記者魂」で自身のメディアなどを通じて活動内容を詳報している。
 閣僚になっても変わらず白シャツとスニーカーの格好で通勤し、庶民派のイメージが広まった。電車に乗車して国鉄の問題点を指摘したり、職員の不手際で渋滞していた高速道路料金所を無料で開放するなどしてメディアを騒がせている。

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