保守派取り込みに注目 アジ研の川村氏が講演 ジェトロ
日本貿易振興機構(ジェトロ)は25日、中央ジャカルタのホテル・ムリアで政治経済セミナーを開き、約200人が集まった。
インドネシア政治に詳しいジェトロ・アジア経済研究所の川村晃一氏はインドネシアの政治制度や大統領選について解説。ジョコウィ、プラボウォ両陣営がイスラム保守派取り込みに注力している状況などから、選挙後も社会的・政治的に影響力を拡大させていく展望を示した。
制度面では、連立政党や憲法裁判所の存在感の大きさから権力間の「抑制と均衡」が機能している一方で、「決められない政治になりやすい制度的枠組みであり、決定が玉虫色になる場合もある」と話した。
鈴木啓之ジェトロ・ジャカルタ事務所長は、アジア・オセアニア地域の日系
企業5千社へのアンケート結果についての分析を示した。
インドネシアへの「投資環境上のメリット」について、「市場規模・成長性」を選ぶ企業が多かったが、その他の項目の数値が低くこれを「一本足」と表現。一方タイでは「駐在員の生活環境」、フィリピンでは「言語・コミュニケーション上の障害の少なさ」などでも比較的高い数字を出していることを挙げ、インドネシアの向上を期待した。(平野慧、写真も)