「あきらめることが恥」 リオ五輪金、惜しむ声相次ぐ リリヤナ引退

 混合ダブルスで世界を手にしたインドネシアのレジェンド選手、リリヤナ・ナトシルが引退した。27日のダイハツ・インドネシア・マスターズ決勝前に開かれたセレモニーでは「ブテット(リリヤナの愛称)! アイ・ラブ・ユー!」と、会場からは33歳での引退を惜しむ声が聞かれるとともに、盛大な拍手が贈られた。

 「きょうはとても重大な1日。17年間のプロ生活で喜び、悲しみ、笑いがあった」。言葉に詰まる。「2019年1月27日の日曜日、私はプロ選手から引退します」。涙がこぼれた。
 ペアを組むトントウィ・アフマッド(愛称オウィ)いわく、選手の士気を上げる名人のリリヤナは「後輩にバトンタッチして、多くの成績を残してほしい。負けは恥じゃない、あきらめることが恥」と後進を鼓舞し、期待を込めた。
 北スラウェシ州マナド市の出身。ブテットは現地語で「女の子」の意味。小学校からバドミントンを始めて24年目。インドネシアに数多くの栄光をもたらしたバドミントン人生をサポートしてくれた関係者全員を労い、「お父さん、お母さん、小さい頃からずっと支えてくれてありがとう」と両親に感謝を伝えた。
 トントウィには「重要な成績を一緒に残してくれてありがとう」。オウィ、ブテットと何度も応援してくれた観客には「次の機会に会いましょう」と呼び掛けた。
 主要大会の優勝は、東南アジア大会5回、アジア選手権2回、最も歴史ある全英オープン3回、世界選手権4回、五輪1回。イマム・ナフラウィ青年スポーツ相は式典で「大臣になってから最も印象的な瞬間の一つ」と、自国に8年ぶりとなる五輪金メダルをもたらした16年リオ五輪での活躍をたたえた。
 この時の決勝は8月17日に行われ、試合時間45分のストレート勝ちで日付が変わる3分前に勝利。インドネシアに「独立記念日の贈り物」をもたらし国中が熱狂。報奨金50億ルピアや15億ルピアの一軒家が特別ボーナスとして贈られたことも話題になった。
 リオ五輪決勝で対戦したマレーシアのチャン・ペンソンは、今大会準決勝でもリリヤナと当たり敗戦したが、「最後だから勝利をプレゼントした」と冗談めかして引退を祝った。
 国内バドミントン協会(PBSI)会長のウィラント政治・法務・治安調整相からは、リリヤナをモデルにしたアクションフィギュアが贈られ、会場には引退記念の巨大Tシャツも登場した。
 トントウィと組む10年までペアを組み、05、07年世界選手権優勝、08年北京五輪で銀メダルを獲得した、ノファ・ウィディアント副コーチは「技術、経験ともに国内トップの選手と言える。引退でバドミントン界に当然、大きな穴が開くことになる。年齢的にも能力的にもまだプレーできる。しかしリリヤナに頼っているだけでは混合ダブルスが停滞してしまう。今は敵わない若手も育って台頭していってほしい」と語った。
 引退後の進路については、手がけるマッサージ店や不動産業に加え、両替商を営むと報道されている。監督やコーチの道も熱望されているが、本人は現段階で言明していない。
 13、15年東南アジア大会優勝、14年アジア大会銅メダルなどを獲得した混合ダブルスのデビー・スサント(29)も今大会で引退した。(中島昭浩、写真も)

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