竣工30年を迎え鎮魂 チラタ湖水力発電所 大成・PP社員が再訪 (2018年07月13日)

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 強い日差しを受けながら1分間の黙とう。30年前に共にダム建設に励み、その後亡くなった仲間たちに思いをはせ頭を垂れる。西ジャワ州チタルム川中流域にあるチラタ湖に、大成建設と国営プンバングナン・プルマハン(PP)、三菱商事が建設した水力発電所が竣工から30周年を迎えた。プロジェクトを推進した大成建設の故・宍戸尚夫工事長はじめ、発注者の国営電力PLNなど事業に携わった同志の鎮魂のため、大成とPPの社員ら約30人が7日、再びダム湖を訪れた。 

 ダムは1983年〜88年の工期を経て竣工した。スハルト政権下でジャワ島を中心に急速に経済が発展する中で、慢性的な電力不足に悩んでいた状態を解決すべく建設。当時、東南アジア最大のダムで、世界トップクラスの地下発電所となった。
 堤高126メートルで堤頂の長さは456メートル。21億6千万トンの貯水量を誇る。幅35メートルで高さ49.5メートル、奥行き253メートルの規模の地下水力発電所の100万8千キロワットの発電能力も国内屈指のレベルだ。
 計5千人以上の作業員が昼夜兼行で建設した大プロジェクトになった。ことし92歳で亡くなった絵本作家かこさとしさんの作品「ダムをつくったお父さんたち」にもなっている。5年にわたる建設の間に亡くなった人の冥福を祈り、ダムには鎮魂碑が建てられた。
 一行は7日にジャカルタから約5時間かけて到着。鎮魂碑に献花し黙とうした。
 PP側の幹部だったプリジョノさんは「困難な工事だったが、力を合わせて成し遂げることができた」と話し、亡くなった日イの仲間たちの名前を挙げながら往事をしのんだ。
 ダム建設では建設地点をドライにするために、川を建設地点からう回させるトンネルを掘らなければならなかった。この「ダイバージョントンネル工事」を担当した勝村健二さん(75)は「(雨が少ない)乾期のうちにしなければならないので、時間がなく大変だったが、日本にもない大きさのダム建設になった」と振り返った。
 日イの技術と努力の結晶になったチラタ湖のダムから供給される水は工業用水、農業用水となりインドネシアの発展に寄与し続けている。
 インドネシア政府は、高い目標を掲げ、再生可能エネルギー開発に取り組んでいる。30年を経てもフル稼働している同水力発電所事業は、持続可能なエネルギー開発を考える上で大きな意味を持っている。(平野慧、写真も)

30年ぶりに集まった大成建設・PP社員ら
30年ぶりに集まった大成建設・PP社員ら
チラタ湖のダム外観=大成建設提供
チラタ湖のダム外観=大成建設提供

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