【メラ・プティ】鍵握る副大統領候補 (2018年07月09日)

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 6月27日の地方首長選挙の結果は、大統領選にどう影響するのか。ジャカルタでは評論家の人たちがさまざまな意見をメディアに紹介している。便乗して私の見方も示してみたい。
 今回の首長選挙の大票田を、州単位で有権者が多い順に並べると、西ジャワ、東ジャワ、中部ジャワ、北スマトラと続き、この4州だけで全国有権者総数の約66%を占める。一般化はできないが、この4州での展開を理解することで、次の選挙への影響がそれなりにみえてこよう。
 今回、明らかになったのは、闘争民主党の大失敗だ。与党第1党として資金力も政治力も抜群なのにも関わらず、この4州の州知事選挙で勝ったのは中部ジャワだけ。ジャワ3州の全制覇をうたっていたが、ふたを開ければ西も東も敗北。北スマトラも負け。完全に候補者選びの失敗であり、党幹部の責任は大きい。
 そのため、メガワティ党首を含めて、党指導部に対する不信が党内で急速に広がっている。不信の拡大は、メガワティの党内求心力の低下につながる。逆に、ジャワ内3州で勝った州知事は、全員ジョコウィ大統領の支援者たちだ。こういう状況を受けて、多くの党所属議員が、メガワティの意向に従って来年の議会選挙に挑むよりも、人気のあるジョコウィのオーラを借りたいと考えるのは想像に容易い。ジョコウィの党内政治力は高まっており、彼がメガワティの束縛から抜け出し、より自立的に大統領選挙をリードしていく基盤ができつつある。
 彼にとって今大事なのは副大統領候補者選びだ。前回の大統領選では、メガワティに候補を決められた。2期目は自分で選びたい。誰がベストか。先の地方首長選挙が大いに参考になったはずだ。最大票田の西ジャワ州、そして闘争民主党の牙城である中部ジャワ州で、プラボウォ率いるグリンドラ党の州知事候補が、予想に反して大善戦した。西ジャワ州は、親ジョコウィのリドワン・カミルが勝ったが、票で見れば反ジョコウィ票は過半数を超えた。中部ジャワ州も、約4割の票が対抗馬に流れている。その背後には、福祉正義党や他の保守イスラム勢力による「反ジョコウィ運動」の動員があった。
 来年の大統領選挙で、こういうジャワの大票田を制するにはどうすればよいか。ジョコウィの答えはおそらく一つ。イスラムに強い人を副大統領候補にする。それは誰か。自分と馬が合い、メガワティとも関係良好で、さらには与党連合の党首たちからも、「あの人なら文句言えないね」と認知される候補。そういう人物は多くいない。もうかなり絞られていよう。(立命館大学国際関係学部教授)

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