コモドドラゴン日本上陸 静岡の爬虫類専門動物園へ (2018年05月09日)

Share (facebook)
このエントリーをはてなブックマークに追加 LINEで送る

 世界最大のトカゲとされるインドネシアのコモドドラゴンが日本に近く上陸する。静岡県の爬(は)虫類専門動物園のiZoo(イズー)が、西ジャワ州ボゴールの動物園タマン・サファリ・インドネシア(TSI)から受け入れる。10日にインドネシア政府の所管官庁である環境林業省の環境保護総局長と静岡県副知事が、両動物園によるコモドドラゴンのやりとりに支援を表明する。インドネシア側は、コモドドラゴンの日本へのプレゼントを日本・インドネシア国交樹立60周年の記念イベントとも位置付けている。

 コモドドラゴンは大きいものは体長3メートル近く、体重150キロにも及ぶ世界最大級のオオトカゲ。インドネシア東部の東ヌサトゥンガラ州西部のコモド島やリンチャ島に3千頭余りが生息している。絶滅の危険がある希少動物としてワシントン条約で商取引は禁止されている。
 両国関係筋によると、早ければ6月中にもコモドドラゴンをイズーへ搬入し、一般公開を開始、さらに写真やコモドドラゴンの像を国交樹立60周年祝賀行事の目玉として7月28、29の両日、東京都千代田区の日比谷公園で開催するインドネシア・フェスティバルの目玉の一つとしたい考えだ。
 イズーは伊豆半島東部の静岡県河津町にある爬虫類専門の動物園。12年にオープンし、昨年からコモドドラゴンの保有、展示を目指し、良好な飼育実績があり、多数を保有するTSIとインドネシア政府に日本への導入を働きかけていた。一般の動物のような単純な輸入はできないため、ブリーディング・ローンと呼ばれる国際的に認められた方法で日本に導入する合意が成立した。
 この方式は、まずコモドドラゴンの雄雌一つがいをイズー側がTSIから一定期間借り受ける。この間にイズーで産まれた子をあらかじめ決められた割合、方法でイズー、TSIがそれぞれ引き取る。最初のつがいはTSIに返却する。最初に受け入れるつがいは生後数年なので、子が生まれるまでにはだいぶ先になる見込みである。
 イズーはコモドドラゴン受け入れのため、生息地のコモド島の自然環境同様の環境を備えた養育、展示施設をすでに園内に建設。インドネシア政府は、コモドドラゴンの提供決定に先立って、在日大使館担当者がイズーの飼育施設を視察するなど慎重に準備をしてきた。これらを踏まえ10日にはインドネシア政府からは保護総局長はじめ4人の専門担当官が来園し、状況を確認する。
 静岡県側からは副知事が参加、県としてコモドドラゴンの受け入れに歓迎の意を表明すると同時に県とインドネシアの友好関係促進への期待を表明する。この後、双方は細部を詰めて、コモドドラゴンの日本への導入をめぐる覚書(MOU)を取り交わしたうえで、日本へ搬入する運び。
 コモドドラゴンはこれまで過去2度、日本へ導入された。札幌市の丸山動物園と東京都の上野動物園だが、いずれも2〜3年で返却されており今は日本に現存しない。イズーでは最適の環境を整え、繁殖も実現したいと意気込んでいる。(小牧利寿)

◇ ワシントン条約 野生の動植物を絶滅の危機から守るための国際条約で1975年に発効した。絶滅の危険性の度合いから動植物を3段階に分け、付属文書にその種類を規定している。付属文書(1)に含まれる動植物は国際的な商取引(輸出入)は禁止され、学術研究など当該国政府が認めた目的でのみ取引が認められている。コモドドラゴンは付属文書(1)に分類されている。そのうえ、インドネシアはコモドドラゴンを「国宝動物」という扱いをしており、政府は外国の動物園などからのコモドドラゴンの譲渡要請についても管轄の環境林業相だけでなく大統領の同意が必要といった厳しい基準を設けている。

■ 動物園として夢 白輪剛史園長の話 さまざまな爬虫類の飼育を手掛けてきた。世界最大のオオトカゲを日本の皆さまに紹介することは爬虫類の動物園として夢だった。若いコモドドラゴンをお預かりし、日本でしっかり育て上げ子どもを増やす自信はある。インドネシアと日本の協力関係発展のお役にたてれば幸いだ。

リンチャ島に生息するコモドドラゴン=2016年、中島昭浩写す
リンチャ島に生息するコモドドラゴン=2016年、中島昭浩写す

このカテゴリの最新記事

本日のニュース一覧