シーラカンスを公開計測 世界初の試み 現存の2種を展示 アクアマリンふくしま

 福島県いわき市小名浜の水族館「アクアマリンふくしま」で5月31日、世界初となるインドネシアシーラカンス(学名ラティメリア・メナドエンシス)の公開計測が実施された。同水族館では4月下旬から、現存するインドネシアシーラカンスとアフリカシーラカンス(同ラティメリア・カルムナエ)の標本を展示しており、現在、この2種を同時に見ることができる世界で唯一の場所となっている。

 現存する2種は、遺伝子解析により異なる種であることが判明しているが、外見的な特徴が非常に似ているなど、その違いはまだよく分かっていない。また、300個体以上が捕獲され詳細な研究が行われているアフリカシーラカンスに比べ、インドネシアシーラカンスは7体しか記録がないという。
 同水族館でシーラカンス調査を担当しているグリーンアイプロジェクトグループの岩田優光リーダーは「インドネシアシーラカンスは、基礎的な情報がまだ十分にそろっていない。今回の計測が基礎データの一つとなる」と説明した。
 今回、計測されたのは展示されているインドネシアシーラカンスで、全長130.1センチ、重さ37.8キロの雌。2014年11月に北スラウェシ州ミハナサ県ガンガ島で、刺し網によって混獲されたという。
 計測には国立インドネシア科学院(LIPI)北スラウェシ州ビトゥン支所のトゥグ・プリスティワディ氏や、北九州市立自然史・歴史博物館学芸員の籔本美孝氏、東大大気海洋研究所の資源生態分野助教である猿渡敏郎氏らが参加。ひれを支える線状のすじである鰭条(きじょう)の数やうろこの枚数、各部の長さなどを計測した。
 このシーラカンスは、LIPIとの共同研究のため16年8月に日本へ輸送され、解剖を11月に実施。ホルマリンによる固定が終了したため、展示を開始した。展示期間は日本の夏休み明け以降、LIPIに返却するまでの間だという。現在は、日本の大学や研究機関などと共同研究が進められている。
 同水族館は04年から、インドネシアでシーラカンスの生態調査を実施。06年には日本の研究チームとして初めて、中部スラウェシ州ブオール沖でシーラカンスの撮影に成功した。09年にはマナド湾で世界で始めて稚魚を発見するなど、シーラカンスの生態解明への研究・調査に貢献している。(毛利春香)

◇ シーラカンス 4億年ほど前から生息し、その姿を太古からほとんど変えていないことから「生きた化石」と呼ばれる。化石は100種類以上発見されているが、現生種で確認されているものはインドネシアとアフリカシーラカンスの2種。
 長年、絶滅したとされていたが1938年に南アフリカで生きた状態で発見された。その後ケニア、タンザニア、モザンビーク、マダガスカルでも発見され、アフリカ大陸インド洋に広く分布することが分かっている。インドネシアでは97年に北スラウェシ州マナドで発見。ニューギニア島北部ビアク島での生息も確認されている。

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