熱い思い 響き合う 「スカ・インドネシア!」 縁日祭出演の和太鼓3チーム

 2回目の縁日祭出演となった、プロ和太鼓演奏チーム「梵天」。力強い音色でことしも祭を盛り上げ、代表の小林政高さんは「インドネシアは第2の故郷になりつつある」と感慨深げだ。同チームと門下生、その影響を受けた縁日祭関係者に、和太鼓と祭出演にかける熱い思いを聞いた。    

 梵天は昨年の第7回縁日祭に初出演。海外公演はこれまで米国や中国、台湾で経験していたが、東南アジアはインドネシアが初めてだった。小林さんは「インドネシア人の反応の良さ、声援の大きさから日本文化に興味を抱いている人の多さに驚き、ことしは日本の伝統をたくさん盛り込んだ演目にした」と話す。
 今回は昨年からメンバーを3人追加して6人体制で臨んだ。津軽三味線としの笛が加わり、華やかさが増した演奏に、メーンステージ前は大勢の聴衆で埋まった。
 汗を流しながら全力で演奏するメンバーらを写真や動画に収めようと、カメラを持って撮影する人やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のインスタグラムに写真を即時投稿する人の姿も。
 「スカ・インドネシアー!(インドネシアが好きだ!)」。演奏の最後に小林さんが叫ぶと、ステージ周辺は一層大きな歓声に包まれた。
■熱帯想定し特訓も
 今回の縁日祭には、梵天が指導する和太鼓教室「未来太鼓道場」の生徒約480人のうち、東京都の道場から6人、大阪府から4人の計10人が来イした。その一人、東京の道場に通う木村恵利香さんは「海外で演奏する機会なんてないのですぐに手を挙げた」と振り返る。
 昨年末の出演決定後、「熱帯インドネシアでの演奏」を想定した特別練習に取り組んできた。大阪の道場では、暖房で室温を約30度にした状態で2時間練習。東京では、扇風機やエアコンを付けずに練習し、体を熱帯の環境に慣らそうとした。さらに、参加メンバーの10人は、普段はそれぞれのレベルに分かれて練習しているため、息を合わせるのがとても難しかったという。
 13日の縁日祭出演後、木村さんは「反応が不安だったが、真剣な表情で写真を撮っている人が多かった。演奏後は、たくさんの人から一緒に写真を撮ろうと声をかけられた。来年もぜひ参加したい」と話した。
 また、大阪の道場から参加した朝田伊織さんは「日本のことを知ってもらう良い機会。特に和太鼓は体に響き渡る。体で受ける感動や振動は全世界共通」と話し、海外で演奏できたことを喜んだ。
■腕立てで体力づくり
 和太鼓の波は、縁日祭関係者にも伝わった。昨年の梵天の演技に魅せられ、竹谷大世実行委員長ら7人はジャカルタの和太鼓チーム「弁天」を結成。毎週土曜に集まって練習を積み重ねた。練習では失敗1回ごとに腕立て伏せ10回を課すなど、体力づくりもしてきた。
 初出演となった13日の縁日祭では3曲を披露。最初は太鼓の楽譜の読み方すら分からなかったという竹谷委員長は「演奏できる曲を増やし、インドネシアのお祭りに呼ばれるくらいになりたい」と目を輝かせながら目標を掲げた。(上村夏美)

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