豆記者4人が骨董市探索 JJSの職場体験学習で 中央ジャカルタ・スラバヤ通り

 ジャカルタ日本人学校(JJS)の中学部2年生が実施した職場体験学習で、庄司絢登さん、山田脩誠さん、小池かおりさん、藤田ことみさんの4人は15、16両日、中央ジャカルタ・タムリン通りのじゃかるた新聞を訪れた。15日は購読推進部、広告営業部、インドネシア語誌「ハロージュパン!」の紹介のほか、記者の心得や記事の書き方を学び、16日には、中央ジャカルタ・メンテン地区にある骨董(こっとう)市、スラバヤ通りを取材した。

■よみがえった古電話 藤田ことみ記者
 スラバヤ通りの川に架けられた橋を渡ってすぐの骨董品屋で、ホコリをかぶっている古い電話が目に入った。
 店主のアグス・スティアワンさん(41)によると、1970年ごろアメリカで作られた真ちゅう製のものらしい。少しさびていたが、「電話線を新しいものに取り換えたので使えるよ」と言った。西ジャカルタ区コタや西ジャワ州ブカシの修理屋が、再び使えるようにした。
 昔の黒電話と同じように数字が書かれた穴に指を入れ、ダイヤルを回してかける。これを見て、懐かしく感じる人もいるだろう。高さ35センチ、横幅15センチで値段は400万ルピア。
 他にも店内には、45年前の映写機や西洋の古い映画で出てきそうな黒く四角い旅行かばんなどが至る所に並んでいた。最も古い物は、400〜500年前のステンシルの機械だと言う。古いせいか、所々壊れていた。
 この骨董品屋は、アグスさんの父が、80年に開いたそう。現在は、コレー・スペンディさん(45)と共に店頭に立っている。
 営業は、毎日午前9時〜午後6時。アンティークなものを求めている人にお薦め。見るだけで買わない人にも丁寧に応じてくれるので、博物館に行ったような気分になれた。

■航海の宝物を求めて 庄司絢登記者
 200〜300メートルにわたって店が並ぶスラバヤ通りには、「106番」を掲げる航海時代を思わせる雑貨店がある。
 2〜3人入ると通るのがやっとのその狭い通路には過去に船で使用されていた道具や部品など、さまざまなアンティーク品が所狭しと並んでいる。
 同店で特に目を引くのが、伸ばすと全長約70センチもある英国製の望遠鏡だ。
 この望遠鏡は、1915年に創業したビクトリウム・マリーン・テレスコープ社が製造したもので、本体の素材は真ちゅう、カバーの素材は革で作られている。
 この店のオーナーのハイスル・タミルさん(60)の話によると、この望遠鏡は50〜60年前に作られたもので、1本150万ルピアで販売している。
 同店は35年前に創業。店内の約5割の商品が、イギリスやオランダ、ドイツ、日本など海外で製造・使用されてきた船の部品の一部だという。
 望遠鏡だけでなく、重さ3キロもある方位磁針や深海に潜るための重さ10キロのヘルメット、船のかじを取る舵輪(だりん)も並んでいる。

■店を照らすサーチライト 山田脩誠記者
 中央ジャカルタの骨董品市場「スラバヤ通り」190番店にある、1960年創立の照明やアンティーク雑貨店。名前はない。ここにはシャンデリアやタイプライター、室温計など、昔の家庭用品が所狭しと並べられている。
 中でも、異彩を放っていたのは、高さ約170センチ、直径約50センチのサーチライト。80年代に日本の企業によって製造されたもので、少しさびが掛かっているところが歴史を感じさせる。手触りはとても滑らかだった。
 このサーチライトは、元々船に備え付けられていた。当時は他の船の居場所や岩などの障害物を照らして安全を確認するために使われていたという。
 店を訪れた16日には、真ちゅうやアルミニウム製のサーチライトが四つあった。いずれも北ジャカルタのタンジュンプリオク港の廃船などから買い取ってきた。
 バンドン出身の店主ナナン・スルヤナさん(41)は「ジャカルタ特別州内のカフェからサーチライトとランプの購入予約が入っている」と話した。サーチライトは1機2千万ルピア。
 店を訪れる人は収集家や愛好家のほか、博物館の職員も時々訪れるという。船の部品の骨董を集めている方や興味のある方にお薦めの店だ。

■使える⁉ 壁掛け電話 小池かおり記者
 スラバヤ通りの民芸品屋に、アンティーク調の壁掛けの固定電話があった。木製でできた電話には、細やかな花の彫刻が施されており、取り付けられた金属のベルや各部品の輝きが時間を感じさせ、異様な存在感を放っていた。
 店主のソナさん(34)が最近この電話を買い取り、店頭に一つの商品として飾っている。
 ソナさんは笑いながら、「100万ルピアで買い取ったが、売るときは150万ルピアで売りたい」とこぼした。
 現在ではめったに見られない形のこの固定電話は、ケーブルをつなぎ壁にかけて環境を整えれば、受信のみ行うことができる。横にかかった受話器を耳に当て、取り付けられた金属の話し口で言葉を発せば、相手と会話が可能だ。
 民芸品屋には、木製の置物や蓄音機などジャンルの違ったさまざまな商品が所狭しと並べられ、店頭から店の奥まで、たくさんの物があふれかえっている。通りには100を超える民芸品や食器、硬貨などを売る店が並び、暗く隠れ家のような店もあれば、シャンデリアが輝く明るい店もあり、店主の売り文句もさまざまでおもしろい。ジャカルタ観光のお土産や、一風変わった買い物にもお薦めだ。

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