「瀕死の白鳥」哀悼の舞 森さん、ジャカルタの公演で 由美子バレエ教室132人も発表

 大阪市でバレエ教室「大屋政子バレエMOM」を開くバレリーナの森眞美さんが先月、中央ジャカルタのジャカルタ芸術劇場(GKJ)で開催された第10回チャリティーバレエ公演に出演し、ロシアの著名バレリーナへの哀悼の意を込めた「瀕死の白鳥」を披露、450人以上の観客を魅了した。同公演で舞を披露するのが6回目になる森さんに、今回の思いを聞いた。

 公演は、由美子サントソ衛藤さんが西ジャワ州ボゴール市で主宰する「由美子バレエ教室」が開催。日本からは森さんのほか、英ロイヤル・バレエ学校出身の長田沙織さんと谷桃子バレエ団の三木雄馬さんが「ドン・キホーテ」の「グラン・パ・ド・ドゥ」を、鈴木バレエの松本めぐみさんが「ジゼル」からソロを披露した。
 森さんの演じた「瀕死の白鳥」は、20世紀最高のバレエダンサーと評され、今年5月に亡くなったロシアのマイヤ・プリセツカヤさんの代表的作品。森さんはプリセツカヤさんから直接指導を受けており、今回は公演の最後にそのバレエ技法を「瀕死の白鳥」で追悼披露した。観客はその優美な荘厳さに心を打たれ、拍手が止まなかった。

■同窓生の縁
 森さんは6歳のとき、大屋政子バレエ団第1期生として入団、以降国立パリ・オペラ座バレエ団合同公演に最年少の出演を果たし、若くしてパリ・オペラ座の講師となった。世界一流のダンサーとパートナーとして共演し、バレエの世界的普及と交流にも貢献してきた。
 大屋政子理事長死後の2000年、理事長の意志を継承し大屋政子バレエMOMを設立して、優れた人材を世界に送り出している。
 森さんは衛藤さんとは大屋政子バレエ団・研究所の同窓生で、その縁もあって数多く来イしている。森さんは「バレエは人種や国を超える言葉が要らない芸術。インドネシアは年々バレエへの認識度が高まっており、来るたびにインドネシアバレエは進化していると肌で感じている」と話した。

■教室開校25年
 今回のチャリティー公演では、「由美子バレエ教室」の生徒132人も踊りを披露した。
 衛藤さんは1987年にインドネシアに来イ、90年からボゴールでスタジオを借り、バレエ教室を立ち上げた。当初は週1回、生徒4人でスタート。25年の活動で学ぶ子は増え、今では生徒の半数以上がムスリムという。
 インドネシアはムスリムが多数を占め、宗教上、女性は人前で肌を見せない風習があるが、衛藤さんは「インドネシアのバレエ発展のために、子どもたちに本物のバレエを見せたくて日本からバレエの専門家を招待した。皆さんの協力に感謝している」と話している。(濱田雄二)

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