【デジタル羅針盤】 広告の許容範囲は

 日本では郊外の国道、県道沿いなどに黄色い背景に黒字ででかでかと「激安」などと書かれた店がある。目立ちたいのは分かるが、さすがに少しは景観に配慮してほしいと不愉快な気分になる。
 インターネット上でも同様で、動画や音楽を入れた騒々しい広告が多数ある。目障りなだけならまだいいが、動画や音楽がCPUやメモリーにかける負荷は大きく、動作が遅くなったり、間接的にはコンピューターそのものの寿命を縮める。
 テレビのCM中にトイレに立ったり、お茶を淹れたりするように、インターネット上でも広告を回避する方法を取る人が増えている。
 ブラウザ(インターネット閲覧ソフト)に広告をブロックする機能を入れるという方法で、20%を超える人がこうした機能を利用しているとの調査結果もある。
 また、ウェブサイトから記事部分だけを抽出し、スマートフォンやタブレットで読めるようにする「あとで読む」サービスでも、多くの場合、広告がカットされている。
 しかし、広告を回避する行為は、インターネット上で提供される様々なサービスにダメージを与えてもいる。
 インターネットでは多くのサービスが無料で、その経費は広告収入で賄われている。広告をブロックして、サービスだけ使うのはタダ乗り行為ともいえるし、実際に広告会社からはこうした批判が出ている。
 だが、特に問題視されているのは、音楽を鳴らし、動画を使い、勝手に新しいウィンドウを開いて操作を妨害する広告。文字中心のバナー広告などへの批判は少なく、やり過ぎが問題といえる。
 一方、インドネシアでは大手のニュースサイトでも勝手に別ウィンドウを開く広告が出てくる。ニュースを読もうとした矢先に画面を塞がれるのでかなり不快だが、導入されてからもう数年経っているので、利用者からは許容されているようだ。
 そこかしこに物売りやらギター弾きやらが溢れるインドネシアでは、押し付けがましい広告にもおうような人が多いのだろうか。そう思うと私が使う広告ブロック機能も、物売りのおじさんをむげに追い払う冷たい機能のような気もしてくる。(IkuZo!日本語・マンガ学校校長、元じゃかるた新聞記者 福田健太郎)

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