【デジタル羅針盤】 バージョン2.0の自治体

 レバランの長期休暇を利用して一時帰国している間に、車が衝突でもしたのか、曲がった標識を携帯電話で撮影している人を見かけた。
 不思議に思って調べてみると、「フィックス・マイ・ストリート」という試みであることが分かった。市民が道路の破損や危険箇所を撮影、アプリを通じて行政に報告するというシステムだ。
 海外ではこのシステムを正式に採用した自治体があり、筆者の故郷の千葉市でも正式導入へ向けた準備が進められているそうだ。
 国や自治体がインターネットを通じて情報を提供することは日本でもインドネシアでも当然になった。SNSを通じて、市民と対話するケースもある。
 中でも行政側が市民が参加する「場」を提供して、課題を解決する取り組みを「ガバメント2.0」と呼ぶ。
 市民の報告を活用できれば、点検にかかるコストを削減できる。日本では税収が伸び悩み、インフラの維持、補修のコスト捻出が難しくなる中、市民の力の活用は重要だ。
 また、市民が積極的に行政に関与することで、当事者意識が高まることも期待されている。
 また、千葉市は市内に本社がある民間気象予報会社のウェザーニューズと協力して、「ちば減災プロジェクト」を運用。市民は気象に関する情報や災害時の被害情報を投稿、閲覧できる。システムの運営をウェザーニューズ社、周知・広報を千葉市が担当している。
 特に夏場は、予報困難な局地的な豪雨の最新情報を知るのに市民からの情報提供が役立っているという。これも市民の力を活用する試みだ。
 千葉市でもまだ十分に周知されているとは言いがたい状態だが、期待できる取り組みと感じた。
 ジャカルタでは道路の破損箇所はきりがないかも知れないが、「ちば減災プロジェクト」のようなシステムがあれば、雨天時の洪水状態とう回路の検討に役立ったりと、色々と可能性がありそうだ。
 旧来のやり方に固執しなさそうなジョコウィ知事なら任期中に何かやってくれるかもしれない。(IkuZo!日本語・マンガ学校校長、元じゃかるた新聞記者 福田健太郎)

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