奨学金・研究助成に2500万円 大阪ガス国際交流財団 アチェ物価急騰にも対処

 インドネシアに教育助成支援を続けている大阪ガス国際交流財団の中島浩・専務理事(事務局長)はこのほど、天然ガス産地である東カリマンタンの小中高校やジャカルタの大学などを訪れ、教育機材、試験研究、奨学金、研修など総額二千五百万円の援助を実施した。

 財団は一九九二年に発足して以来、大阪ガスがLNG(液化天然ガス)を輸入しているインドネシアやマレーシアなどで教育や試験研究助成などを行ってきた。
 今年も、東カリマンタン州ボンダンの小中高へ教育機材に一億六千八百万ルピア、公開大学への通信教育機材に一億五千万ルピア、バンダアチェの移動図書館の書籍購入に五千万ルピアを供与。
 奨学金は、ボンタンの高校、技術専門学校、定時制大学に一億四千八百五十万ルピア、アチェ州バンダアチェ、ロクスマウェの高校生、シャークアラ大学生に三億五千四百万ルピア、ムラワルマン大学生に一億四千四百万ルピアを支給した。
 研究助成金はインドネシア大、バンドン工科大、ボゴール農科大に四万八千ドル、研修助成は公開大学などに五億五千万ルピアを寄贈した。
 日本への研修では、遠隔地の学生にも高等教育の機会を与えようと、全国各地で通信教育を展開してきた公開大学から、渋谷にある財団法人NHKインターナショナルに職員を派遣。映像機材を駆使した魅力的なメディア教材作りを学んだ。
 毎年二週間かけて各地を回り、助成金を手渡すとともに、現場の状況を視察している中島さんによると、二〇〇四年末の津波以降、復興が進んだアチェでは物価が急騰。今年から奨学金対象人数を八十人から四十人へと半数に引き下げ、反対に一人当たりの支給額を月十五万から三十万ルピアに倍増させた。各地の変化やニーズに合わせたきめ細かい対応を心掛けているという。
 来年、大阪ガス国際交流財団の教育助成支援は二十周年を迎える。昨年は日本の公益法人制度改革で、内閣府から公益財団法人として認定された。中島さんは「長く続けることが大切。十年、二十年と腰を落ち着けて取り組むことで、地元の人々に本当に感謝される支援ができると思う」と語った。

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