麻薬使用に厳重対処 国家麻薬委 芸能人や政治家関与で波紋

 芸能人や政治家ら17人が一斉摘発された麻薬事件の波紋が広がっている。来年の総選挙への立候補を検討している人気絶頂のタレントや俳優、元モデルの州議会議員らが現場に居合わせ、新種の麻薬を使用していたことも発覚した。インドネシアで麻薬使用や密売の最高刑は死刑。国家麻薬委員会(BNN)は著名人であっても厳格に対処する姿勢を示している。

 BNNは27日午前5時ごろ、南ジャカルタ・ルバック・ブルスにある人気タレント、ラフィ・アフマッド氏(25)の自宅を家宅捜索し、ジャカルタ特別州議会議員(国民信託党=PAN)のワンダ・ハミダ氏(35)らを含む17人の身柄を拘束した。
 ラフィ氏宅の食器棚からカプセル14錠、大麻などを押収。尿検査の結果、5人が陽性で、インドネシアの麻薬使用者の間で一般的な大麻やMDMA(エクスタシー)を使用していたと発表した。
 さらに行った身体検査で、別の2人の体から、現行の麻薬取締法(2009年施行)では規制対象外だが、幻覚症状などを引き起こす新種の化合物が検出された。このうちの1人がラフィ氏だったことが分かり、騒ぎが広がっている。
 この化合物は中枢神経系の刺激剤のカチノン系で、MDMAと酷似した幻覚症状を引き起こす。BNNのスミラット・ドウィアント報道官は「化合物の開発は日々進んでいる。今回検出された種類はシンガポールや米国でも見つかっており、すでに規制対象にした国もある」と説明。東南アジア諸国で流通が拡大している可能性もあり、法務人権省や国会と新種の化合物の規制について協議する必要があるとの見方を示した。
■麻薬撲滅に陰り
 芸能人の麻薬事件が多発している。昨年は人気ロックバンドのパディやカンゲン・バンドのメンバーが相次いで摘発され、今月に入り、ダンドゥット歌手が逮捕されたばかり。
 インドネシア政府は2002年、国内で深刻化する麻薬問題に対処する大統領直轄の捜査機関として、BNNを設置した。04年に発足したユドヨノ政権は、各地で違法に運営されてきたカジノを閉鎖させるなどして麻薬撲滅を徹底させたが、近年は一部のカフェやディスコなど歓楽街のほか、一般の住宅地などでも容易に入手できる状態に戻りつつある。
 司法当局は麻薬製造者に終身刑、密売者に死刑を下すなど厳罰を科しているが、昨年、ユドヨノ大統領がバリ島で服役中の豪州人女性(禁錮20年)の麻薬犯に計2年以上の刑期短縮となる恩赦を与えてきたことが問題視された。(配島克彦、写真も)

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