全国各地 新年をにぎやかに祝う 「カーフリーナイト」 首都で初開催

 新年を迎えた1日、インドネシア各地で多くの国民が盛大に年明けを祝った。首都ジャカルタでは、昨年10月に就任したジョコ・ウィドド(ジョコウィ)州知事の肝いりで初の「カーフリーナイト」を実施。小雨が降る中、歩行者天国となった目抜き通りに繰り出した市民は20万人(警察発表)に上り、それぞれが2013年の幕開けを楽しんだ。
 目抜き通りを歩行者に開放する「カーフリーナイト」は、スナヤンのロータリー以北のスディルマン通り、タムリン通り、メダン・ムルデカ・バラット通りの約10キロを31日午後7時から翌日午前2時まで通行止めにした。毎年、ホテル・インドネシア(HI)前ロータリーやモナスに向かう二輪・四輪車で大渋滞となる大通りは人の波に様変わり。クラクションの代わりに、歩行者たちが手にしたラッパの音がオフィス街に鳴り響いた。
 アトマジャヤ大学前からモナス近くまで、通り沿いにオフィスを構える企業などがスポンサーとなり、16カ所にステージが設置された。地元ブタウィの伝統舞踊や音楽、影絵芝居などが上演されたほか、ジャワのチャンプルサリ、ダンドゥットなど娯楽音楽のステージが繰り広げられた。
 年明けの瞬間、打ち上げ花火の炸裂音が一斉に鳴り響く。色とりどりの光りで雨空が彩られ、「新年おめでとう」とレーザーの文字が高層ビルに浮かぶ。HI前ロータリーは、花火やラッパの音、群衆の歓声に包まれた。
 12月に入り、急きょ発表された大みそかのカーフリーナイトだが、次々と新施策を打ち出すジョコウィ知事肝いりのイベントとして広まり、オートバイや徒歩で目抜き通りまで駆け付ける市民でごった返した。都心の風物詩だった年越しの大渋滞は一部の大通りのみとなった。
 HI前ロータリーでカウントダウンに参加したジョコウィ知事は「次回続けるかどうかは市民次第。賛同を得られれば継続していく」と語った。
 西ジャワ州バンドンや中部ジャワ州ソロでも「カーフリーナイト」が開催され、大勢の市民でにぎわったという。
 アチェ州バンダアチェ市では数万人が沿道に繰り出し、年が変わる瞬間に花火を打ち上げ、新年を祝福した。
 西スマトラ州パダンや南スラウェシ州タナ・トラジャなどでも盛大に年明けを祝った。(小塩航大) 

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