前年比40%増の210万ルピア ブカシの2013年県内最低賃金 アピンド「倒産企業出る」

 西ジャワ州ブカシ県の公定最低賃金を政労使の三者で協議する同県最低賃金委員会は15日、2013年の県内月額最低賃金を前年比40%増の210万ルピアとすることで合意した。日系の工業団地が集中し、インドネシア有数の工業地帯のブカシ。同額で正式決定した場合、同県に工場を構える多くの日系企業は厳しい対応を迫られることになる。また、全国で地域ごとに決められている最低賃金は、製造業が集積する同地区が指標となることが多く、今後、他地域への波及や相次ぐ新規投資に影響も出ることが予想される。
 特定産業の最賃は、繊維などのセクター2で230万5千ルピア(前年比34%増)、電機や自動車などのセクター1で242万ルピア(同31%増)となった。
 最賃の算定基準の適正生活経費(KHL)は、前年比約22%増の165万8036ルピア。今回合意した額はこれを27%上回ることになる。
 最賃委員会の決定は、西ジャワ州のアフマド・ヘリヤワン知事に提出される。知事は、20日にも承認の署名をする見通し。
 経営者協会(アピンド)ブカシ支部のプルノモ・ナルミアディ支部長は「他の地域が、200万ルピアだからと言うのは、賃金の決定理由にならない。KHLに基づいた最賃を決めるべきだ」と述べ、賃金の上昇幅が大き過ぎると反発。正式決定された場合には、給与の支払いができないために、倒産に追い込まれる企業が出るだろうと指摘した。首都の最低賃金委員会は先に、前年比44%増の水準とする最賃額で合意している。
 最低賃金委員会のアブドゥル・イマン委員長は、KHLをはじめ、来年15%値上げが予定されている電力料金や、前年比6.5%高の水準で上昇している食料価格を考慮に入れたと説明した。県は、2年間の財務データを提出し、審査を通過した企業に対して、最低賃金の順守義務を6カ月間猶予する制度の導入を検討している。
 昨年県内最低賃金の約2倍となる285万9171ルピアを要求していた労働者側は、「妥当な額」との見解を示している。全国労働組合連合会(SPSI)のアブドゥラ氏は、「他の労組と会合し、合意した最賃額に賛成することにした」と語った。
 昨年の同県最賃協議では、経営者側が「議論にならない」として協議から退出した中で、最賃が決められた。経営者協会(アピンド)が行政裁判所に決定の無効を求め提訴すると、反発を強めた労働者が大規模なデモを実施し、多くの日系企業が操業停止に追い込まれた。

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