「メンテンっ子」人気健在 保護主義に懸念も オバマ再選で地元紙報道
オバマ大統領の再選について、インドネシアのメディアでは好意的な報道が大半を占めている。幼少期をジャカルタで過ごした経験がある有色人種大統領の人気はまだまだ衰えていないが、南シナ海問題や保護主義の政策には警戒感もある。
インドポス紙は、オバマ氏が南ジャカルタのメンテンダラムに住んでいたことをもじり、「メンテンっ子再選」の見出し。「米国民だけでなく、インドネシア人、特にジャカルタ市民にとっても祝うべき勝利」とお祝いムードを鮮明にした。
メディア・インドネシア紙も黒人大統領の再選を祝福。「再選は米国がどうやってさまざまな価値、倫理観、外国文化を受け入れてきたかを示した」。コンパス紙は「大統領選は政治的信条、宗教、人種、性別、教育水準など米国が多様であることを明らかにした。オバマ氏は白人の輪からも支持を受けた」と大統領の「一つの米国」に向けた努力に期待した。
ユドヨノ大統領の民主党の広報メディアであるジュルナル・ナショナル紙は「米イ関係は強い」の見出しで、あたかも自党が選挙に勝ったような紙面。ユドヨノ大統領補佐官や同党のマルズキ・アリー国会議長の歓迎コメントなどを載せた。
米国の東アジア戦略が継続される見通しとなり、政策の進展を促す論評も目立った。英字紙ジャカルタポストの社説では、両国が2010年に結んだ包括的パートナーシップを強化する好機会になると指摘。東アジア情勢では、「不確かな地域が政治的未来を形作っていく上で、オバマの勝利が政策の厳格さを一段階引き上げることになる」として、地域の安定化に一定の役割を果たすとの見解を示した。
コラン・テンポ紙は、南シナ海で中国と対峙するというオバマ大統領の政策が継続される見込みの中、インドネシアは米中の間で揺れる東南アジア諸国連合(ASEAN)の足並みを揃えなくてはならないと論じた。
経済紙コンタンはオバマ大統領の保護主義的政策が米国への輸出減などに影響すると懸念。経済紙ビスニス・インドネシア紙も、減税の期限切れと歳出削減が重なる「財政の崖」など、オバマ大統領が直面することになる経済的苦境を紹介した。