目指せオーチャード モール続々オープン メガクニンガン 周辺を新開発

 南ジャカルタのサトリオ、カサブランカ通り沿いの開発計画がじわじわと歩みを進めている。目指すは東南アジア随一の目抜き通りとされるシンガポールのオーチャード通り。首都中心部に位置しながら、アジア通貨危機以降に新開発が進められてきたメガクニンガンを核に、中央・地方政府、民間開発業者が協力し、インドネシアを代表するモダンなショッピング街を実現しようという計画だ。

 計画の肝となるのは、昨年9月に着工したサトリオ通りの高架式道路。来年8月に完成する予定で、中央ジャカルタ・タナアバン?東ジャカルタ・カンプン・ムラユ間の3.5キロが2層式の道路となる。同通りの路肩に歩道や歩道橋、歩行者用地下道などを設置し、歩いて買い物を楽しめる地区にする。
 カサブランカ通りでは28日、複合施設「コタ・カサブランカ」が開業した。街区を連結した敷地約9ヘクタールにオフィスとマンション、ショッピングセンターを併設。モールにはそごう、カルフール、娯楽施設、フィットネス、教育機関のほか、ファッション、食品、飲食などの店舗がひしめく。
 スラバヤに本社を置く不動産大手パクウォン・ジャティ社が開発。同社によると、総投資額は1兆7千億ルピア(約140億円)、不動産の市場価値は12兆4千億ルピアに上り、3月までにオフィスの40%、マンションの62%が売却済みで、商業テナントの区画も販売を行っている。ステファヌス・リドワン取締役は地元紙に対し、「モールは供給過多といわれることもあるが、まだまだ需要がある」と自信を見せた。
 パクウォン社は1982年の創業以来、商業、娯楽、教育施設や、住宅、オフィスなどを集約する大型開発「スーパーブロック」を展開してきた。子会社を通じ、東ジャワ州スラバヤのトゥンジュンガン・プラザ、南ジャカルタのガンダリア・シティなどのスーパーブロックを管理・運営する。「3つのスーパーブロック・プロジェクトの市場価値は30兆ルピアある」(ミナルト・バスキ取締役)という。
 ステファヌス取締役は、今回の開発では、土地収用で「土地マフィア」との交渉に苦しんだと説明。「土地マフィアは住民をたきつけて収用を妨害し、土地の値段を2倍以上に引き上げる」と話した。
 サトリオ通りには昨年末、オフィス、住宅を併設したスーパーブロック「カサブランカ・シティ」が開店した。西ジャカルタのポドモロ・シティ、中央ジャカルタのスナヤン・シティなどを手がける不動産大手アグン・ポドモロ社が開発。「オーチャードに着想を得た」というモールは、瀟洒(しょうしゃ)な内装だが、入居テナントがそろわない状況が続いている。
 さらに同通り南側には、不動産開発大手のチプトラ・グループによるモール、マンション、オフィスビル、ホテルの複合施設「チプトラ・ワールド」も年内完成を予定している。
 近年、同通りにはアンバサドル・モール、ITCクニンガンといった商業施設に加え、英系スタンダードチャータードなどの大手銀行、高級ホテルも次々とオープン。ジャカルタ中心部から東へ抜ける通りの渋滞対策として建設されている高架式道路は、相次ぐ商業開発により、渋滞緩和に結び付かないとの批判も上がりそうだ。

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