コロナ禍乗り越え平常に 今年のラマダン・レバラン イスティクラルに大統領の姿も

 ムスリムにとって聖なる月「ラマダン(断食月)」が9日に終わり、全土はレバラン(断食月明け大祭)の大型連休に入った。有休取得奨励日となった15日、首都圏に戻るUターンラッシュが続いているが、今年はコロナ禍を乗り越え最大イベントとなるレバランは平常に戻ったようだ。

 今年はラマダンの開始日が、国内最大のイスラム団体となる「ナフダトゥール・ウラマ(NU)」と、第2のムハマディアの間ずれが生じ、宗教省の発表により全国では3月12日となった。
 ラマダン中は、日没後にブカ・プアサ(1日の断食明け)となり、飲食が解禁される。3月30日、西ジャワ州デポック市に住むエリさん(58)は、広い中庭がある自宅でブカ・プアサを迎えた。集まった親族は20人。食事を囲んで1年どう過ごしたか、また子どもの進路といった話で盛り上がる。エリさんは楽しそうに交流する親族を見ながら、「(ブカ・プアサの)イベントでもないと、(最近は)近くに住んでいても一族が揃うことはなくなった。こうして会うことで、近況を知ることができてよかった」と語った。
 一方、ラマダン最終日の9日夕、街中から手製の大太鼓「ブドゥック」の音が聞こえてきた。ラマダン終了を祝う伝統行事「タクビラン」が始まり、人々は神に感謝を示す詩「タクビル」を歌って練り歩く。
 爆竹を慣らしてレバランを祝うムハンマド君(9)は、「今はまずゴレンガン(揚げ物)などをお腹いっぱい食べたい」とニッコリ。花火売りのヤマン氏(35)も「もう300万ルピアほど売れた」と嬉しそう。太鼓と花火の音は未明まで鳴り響いた。
 晴れてレバランを迎えた翌10日の午前7時、中央ジャカルタにある東南アジア最大級のモスク、イスティクラルにジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が礼拝のため、姿を見せた。ジョコウィ氏が現職大統領としてレバランを迎えるのは今年が最後。イルファン氏(29)は「少し寂しい」と打ち明けた。
 コロナ禍の影響でレバランのお祝いも規制を受けてきたが、今年は名実ともに平常が戻った。
 大型連休中、マドゥラ島(東ジャワ州)への里帰りを果たした日系企業で働くイルハム氏(26)は今、今年のレバランをこう振り返った。「日本人と食事をする会合にも同行したが、試練と捉えて飲食は絶った。徳を多く積めたことだろう。断食が終わってホッともするが、ラマダンは神聖な試練の期間であり、寂しい気持ちもあって複雑な気分だ」。(山本佑、写真も)

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