聴覚障害者に新たな道 アプリで奏でるハーモニー バンドン

 耳が聞こえない聴覚障害者がアンクルン(伝統楽器)でハーモニーを奏でるクラシック・コンサートが今月上旬、西ジャワ州バンドン市の音楽ホールで開催された。会場には、岐阜大学助教で聴覚障害者教育が専門の鈴木祥隆氏が駆けつけ、「バンドン発の試みが世界の聴覚障害者教育を変える可能性がある」と期待を膨らませた。

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)が無形文化遺産に認定したアンクルン。起源は西ジャワと言われる、一音しか出ない竹筒で作る打楽器だ。通常は複数の奏者が分担して音階を形成するが、これを聴覚障害者に役立てたいと、バンドンのアンクルン奏者で日本留学の経験を持つアルディアン・スマルワン氏(44)がアプリ開発に乗り出した。
 約1年をかけて完成させたのは、楽譜を「ブロック」の長短で示すタブレット用アプリ「ガルーン」。鈴木助教によると、「聴覚障害者は短期記憶に弱く、楽譜を読んでも演奏のタイミングがわからない」。そこでガルーンではタブレット画面を流れる「ブロック」で楽譜を「オンとオフの世界で示すことができる」ようにした。
 演奏会には、小学生から高校生までの聴覚障害を持つ地元の子どもたち45人がステージに立ち、サンサーンスの「白鳥」、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、サラ・ブライトマンの「タイム・トゥー・セイ・グッバイ」などを披露。半音にチューニングしたアンクルンも加わるオーケストラとなり、美しいハーモニーが観客に感動を与えた。
 「ガルーン」についてアルディアン氏は、「二進法を取り入れることで、言語の枠も超える世界基準になるはず」と話し、日イの協力を聴覚障害者の音楽のアンクルンから世界に広げたいという。
 アルディアン氏はまた、ハーモニーを成立させるためには「精度の高いアンクルンが必要。サステイナブルな技術研究と並行し、インドネシアに進出する日本の楽器メーカーとの協力も模索したい」と話している。(長谷川周人、写真も)

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