【韓国台頭〜高まる存在感(1)】 大手進出、沸く韓国人街 5万人社会、膨張続く チレゴンに熱視線 あふれるハングル

 韓国の鉄鋼最大手ポスコやロッテグループがインドネシアに相次いで進出し、首都圏に形成されている「韓国人街」のにぎやかさが増している。最大の外国人コミュニティを形成し、すでに5万人以上とみられている在イ韓国人の増加に拍車がかかり、韓国レストランやスーパー、医療クリニック、娯楽施設などが続々オープン。ポスコや韓国最大手ハンコック・タイヤなどが製造拠点を構えるバンテン州チレゴン市では関連の中小企業の進出が加速するのは確実で、韓国人が集まる新たな地域になりそうだ。(岡坂泰寛、写真も)

 「アンニョンハセヨ(こんにちわ)。いい魚は入っているかい」。不動産開発大手「リッポー・カラワチ」が1993年にバンテン州タンゲラン市で開発を始めた郊外型複合都市「リッポー・ビレッジ」。繊維系企業を経営するソ・ソンジュンさん(55)はいつも韓国レストランで昼食を済ます。メニューを開くと、チヂミやキムチチゲなどの韓国の名物料理が並び、店内には生きた魚を入れたいけすも。「夜は取引先や接待で利用しており、韓国人の社交場」とソさん語る。
 リッポー・ビレッジ内の北カラワチ地域には、十数店舗の韓国レストランのほか、韓国スーパーや貸し本屋、マッサージ店やサウナ、カラオケ店などが軒を連ねている。
 タンゲラン市には、米スポーツ用品大手「ナイキ」やイタリア靴大手「ジオックス」と契約を結んでいる韓国企業の製造工場が集中。増加しているのが繊維系工場で、韓国国内では「インドネシアで繊維のルネッサンスが起こっている」と報じられるなど注目を浴びている。北カラワチ地域に韓国レストランや娯楽店が立ち並んでいる大きな理由は立地の近さにあり、韓国のヒュンダイが建設に携わったアマルタプラ・アパートメント(68階建て)は、韓国人の居住率が約八割に上る。
 7年前に開店した韓国レストラン「ガン・チョン」店長のキム・キスさん(32)は、タンゲラン市で起業していた父から助言を受け、釜山から単身で渡イ。「ライバル店も多いが、これから支店を各地の韓国街にオープンしたい」と意気込む。
 キムさんが注目しているのが、バンテン州チレゴンだ。ポスコなど韓国の巨大企業が進出し、韓国人が急増しているといううわさ話を客から何度も聞いた。高級レストランや医療クリニックなどが集中する南ジャカルタのセノパティやカラワチに続き、新たな韓国人街の誕生に期待が募る。
 韓国第3位のウリィ銀行は2008年5月、カラワチに支店を開設した。アンディー・ロサディー支店マネジャーによると、取引企業約160社の多くはタンゲラン県やタンゲラン市などに拠点を持つ韓国企業だ。韓国家電大手のLGやサムスンの工場が集まる西ジャワ州ブカシ県のチカランに支店を持つほか、「取引先の利便性を考え、2012年にはチレゴンにも新設する予定」と話した。
 韓国外務省が発表した最新のデータによると、在留韓国人は3万6295人。大使館が把握していない地方在住者などを含めると、5万人を超えるとみられている。ジャカルタ国際韓国人学校は小学部と中学部、高等部があり、約千人の児童・生徒が在籍。中国の北京やベトナムのホーチミン、東京にある韓国人学校と並び、同国の在外教育施設としては最大規模を誇っている。
 韓国企業の進出が進む背景の一つに、中国など周辺新興国での人件費の高まりや、先進国に比べ起業に伴う初期投資が安いことがある。韓国大使館によると、現在までに約1200社が進出。インドネシアの対貿易国としては4番目となり、2010年の貿易額は過去最大規模の200億ドルに近付いた。
 両国は、1973年に国交を樹立。首脳会談は継続的に行われており、2010年12月のバリ民主主義フォーラム開会後に会談した李明博大統領とユドヨノ大統領は、防衛産業や環境技術、情報技術などの経済分野で協力関係を強化することで一致した。

 台頭する韓国人社会。インドネシアで存在感が急激に高まっている。(4回連載、つづく)

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