イ東部開発に期待感 不動産事業盛んに LCCも運航強化

 スラウェシ島を中心とした東部インドネシア地域での開発事業が目立ち始めている。「無尽蔵」とも言われる金や銀、コバルトやニッケルなどの鉱物資源のほか、水産品や農産品が豊富な東部地域。ジャワ島などに比べて開発の遅れが指摘され続けているが、不動産開発業者が攻勢を掛け、航空会社も相次いで新路線の就航や便数を増やすなど力を入れ、発展への期待感がにじむ。
 華人系大手財閥のリッポー・グループは、南スラウェシ州マカッサルの海岸沿いに1500ヘクタールの複合都市を開発中。ショッピングモールや娯楽施設、病院、私立学校を建設し、住宅や商業用建物を3千戸建設する。不動産価格の値上がりを見越し、スラウェシ島外に住む華人やインドネシア人富裕層による購入も盛んだ。
 北スラウェシ州マナドや東南スラウェシ州クンダリ、マルク州アンボンでの集合住宅開発に力を入れているのが、不動産開発大手のチプトラ・グループ。米不動産開発ブリス・グループは今年2月、マルク州アンボンで3ヘクタールの大型ショッピングセンターを開業。今後、中流以下向け住宅を2100戸建設するほか、上流向け住宅の開発向けに24ヘクタールを区画している。
 国営ガルーダ・インドネシア航空の格安航空(LCC)ブランドであるシティリンクやライオン航空も、ジャワ島と東部インドネシアを結ぶ路線を拡充。新路線の就航や便数の増加が近年顕著だ。最近では、マカッサルを通らないバリ経由の東部インドネシア路線の運航を各航空会社が始め、利用需要を見越した戦略を展開している。

■手続き迅速化必要
 マカッサルに注目が集まっている理由の一つは、同市が東部インドネシアへの物流の窓口になっていることだ。中間層が増加して市内では朝夕、二輪車を中心とした交通渋滞が深刻化。ここ数年ショッピング・モールの建設が続き、近く10カ所まで増える見込みだ。
 東部インドネシアの資源への期待は数十年前から続いているが、インフラもまだぜい弱。政府は均等な経済発展を目指し、東部インドネシア地域を対象とした優遇税制を以前から打ち出し、六つの経済回廊計画では、スラウェシ西部、バリ―ヌサトゥンガラ、パプアと三つを東部インドネシア地域に設定しているが、ジャワ島などに比べて開発や産業発展は大幅に遅れているのが現状だ。
 産品の輸出手続きの迅速化も課題。マカッサル当局は輸出許可の取得に向けた書類手続きの認可権限を持たず、ジャカルタとスラバヤの当局を通す必要がある。
 在マカッサル出張駐在官事務所によると、日系企業の進出は少なく、燃料費の高騰などから水産業から撤退する企業もあるという。東部インドネシアに住む邦人も減少傾向にある。
 在インドネシア日本大使館によると、在マカッサル出張駐在官事務所が管轄する東部インドネシアにおける在留邦人数は、昨年10月1日時点で前年比2.5%減の217人となっている。そのうち86人がマカッサル在住。

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