将来に不安、人材流出 Z世代 大統領選のカギ

 民主化後に生まれ、有権者の3割を占めるZ世代の可能性を考える討論会が8日、ジャカルタで行われ、来年2月の大統領選でZ世代は金権政治からの脱却の成否を問うとの認識が示された。
 討論会を主催したセンテニアルZのディンノ・アルディアンシャ会長は、選挙の行方を大きく左右する若者層は、腐敗した政治に失望しているという認識を示した。この中でディンノ氏は物価高騰や貧困問題など将来に向けた不安を抱える中、「Z世代の声は買えない」と指摘。「大統領選に向けて候補者は合理的なアプローチをすべきだ」とし、Z世代は清廉な国民本位の指導者を求めているとした。
 一方、法務・人権省のシルミー・カリム入国管理局長は参加者の質問に答え、有能なZ世代の海外流出が加速しているとの認識を示した。
 地元メディアによると、年間1000人規模の人材がシンガポールで居住権を取得。そのほとんどが25~35歳で富裕層の子女や留学生たちで、2022年は過去最多の1091人が移住した。今年は4月段階で329人に達したという。
 その理由について、政治経済と政策研究が専門のアンソニー・ブディアワン氏は、「シンガポールの収入は国内に比べてはるかに高い。生活費は高いが問題にならない」と分析。その上でZ世代は収入面での確実性を求めているとした。
 これについてカリム局長は、ジョコウィ大統領の「各国による優秀な人材の獲得競争が激しさを増している。これを座視してはならない」との指摘を引用。外国から質の高い人材を獲得するため、入国や滞在許可を容易に取得できる環境を整えるよう指示を受けているとした。(アウリア・アナンダ)

政治 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly