自閉症者に雇用機会促進を JCIや日系企業ほか ウォーク・フォー・オーティズム
インドネシア青年会議所(JCI)は中央ジャカルタで14日、自閉症者の雇用機会促進を目的としたイベント「ウォーク・フォー・オーティズム(WFA)」を実施した。共催として日系を含む外資系企業などが参画、自閉症者や健常者たち約500人が、スディルマン通りなど2㌔を練り歩いた。
JCIによる同イベントはこれまで、2016年から東ジャワ州スラバヤで毎年実施されてきたが、ジャカルタ開催は今回が初。イベントでは、自閉症者による服飾品などのバザーやバンド演奏が行われた。
WFA実行委のアンドレ・ヤヌアルシア副委員長(34)は「障害を持つ人が良い仕事に就くのは難しい。健常者と同様なチャンスを得て生活の質が向上することを願う」と訴えた。
この日はまた、大林組の現地法人ジャヤ大林が自閉症者のダレン・チャンドラさん(20)に発注した絵画の贈呈式も行われた。横100㌢縦65㌢となるこの絵画は、障害を抱えるバリスタが働く同社社屋内の社員用カフェに飾られる。
作品は、同社社員がダレンさんの家へ足を運び、互いについて会話をし、理解を深めながら2カ月をかけて完成した。絵画にはダレンさんのアイデアで、広島県の厳島神社や東京タワー、インドネシアのモナス(独立記念塔)やブタウィ人の伝統人形「オンデルオンデル」が入れ込まれ、600の人間や車など細かな絵が描かれている。
同社の畑山泰朗取締役は「支援を始める前は自閉症のことは知らなかった。彼らは何か1つのことに集中する力がある。特別な支援が必要かもしれないが才能に気づいて伸ばしていくことも大切だ」と語った。
同社で障害者雇用の実現に取り組んできた砂川欣也さんは「自閉症者らと関わることで、社員の心が優しくなっている気がする。今後は社用紙バッグにもダレンさんの絵を使用する予定」という。(青山桃花、写真も)