「意図的な転覆事故」 死者44人、行方不明者76人 違法出稼ぎ労働者
インドネシア人出稼ぎ労働者が乗る船舶の転覆事故が近海で相次いでおり、モハンマド・マフッド政治・法務・治安調整相は1日、船は意図的に沈められている可能性があると明らかにした。マフッド氏は、在外労働保護庁(BP2MI)が調査した2021年12月に起きた転覆事故の結果をもとに発表した。地元メディアが報じた。
これまで21~22年にかけ、リアウ諸島州バタム島近くにあるマレーシアのジョホール州の沖合で7件の転覆事故が発生。幼児を含む死者44人と行方不明者76人が確認されているという。乗船していたインドネシア人は、違法な人身売買に関わって事件に巻き込まれたとみられている。
一方、転覆の実行犯や事件に関わった団体、またその理由などへの言及は避けながらも、マフッド氏は「労働者を奴隷のように扱い、病気になれば海へ投げ入れる。このような事例は特別なケースではない」と怒りを込めた。
マフッド氏は今月5日、船の沈没現場付近や人身売買の現場を視察調査する予定だ。
(青山桃花)