大量在庫を抱え失職の危険 違法輸入の古着取締強化 ジョコウィ大統領

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、古着の違法輸入・販売の取り締まりに躍起だ。28日、政府は税関で押収した総額800億ルピア分の違法古着を焼却。27日にはテテン・マスドゥキ協同組合・中小企業相が貿易省と財務省の3省が国家警察と連携し、違法古着の輸入・販売ルートを捜査すると発表した。地元メディアが報じた。 

 違法な古着の輸入・販売は、国内の中小零細企業の繊維産業を圧迫するだけではなく、不衛生な状態で密輸された物が多いことから、購入者の健康に被害をもたらすとして、取り引きは2015年に禁じられた。しかし、昨今も古着の違法輸入・販売は横行しており、ズルキフリ・ハサン貿易相は「古着の違法輸入・販売は、中小零細企業市場の31%を占めている」と懸念を示した。
 一方、中央ジャカルタ・パサールバルで違法輸入の古着を販売している匿名を条件に取材に応じた男性は、政府の方針について「賛成できない。政策を進めるなら、解決策を示して欲しい。大量の在庫を抱え、職を失うのだから」と訴えた。
 男性はまた、「今、我々にとってこの話題はとてもセンシティブだ」と口をつぐむ場面も見せるなど、当局の厳しい取り締まりを警戒していた。
 違法に輸入された古着は、韓国や日本製もあり、高品質と低価格であることや、掘り出し物を見つける楽しさから、購入者は老若男女ともに需要度が高いという。
 それにもかかわらず、政府が、国内の中小零細企業のアパレル・繊維産業を保護するだけなら、問題の抜本解決にはならない。政策によって生まれる失職者など弱者への救済策も急務だ。(青山桃花、写真も)

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