看護師候補者を支援 国家試験合格率低迷で 学習会開催、ネット配信も 東京都と首都大学東京

 首都大学東京は東京都と連携し、日本がインドネシア、フィリピンの両国とそれぞれ結んでいる経済連携協定(EPA)に基づいて来日した看護師・介護福祉士候補者や、候補者になることを目指している学生の学習支援に乗り出した。先月26日には、すでに来日している看護師候補者を対象とした第1回の学習会を開催。今年9月からは西ジャワ州バンドンのインドネシア教育大(UPI)の看護学科の学生に対し、インターネットを通じて授業の提供を始める予定で、来日前から来日後に至るまで包括的な支援を行っていく方針だ。

 EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者はインドネシアとフィリピンから昨年までに、1300人以上が来日しており、正式な国家資格取得者として働くためには国家試験に合格する必要がある。しかし、難解な日本語が壁となり、合格率は低水準にとどまっている。
 政府は試験問題の改変など対策を図っているが、「国の政策は個別的な対応で包括的な支援にはなっておらず、より小回りのきく自治体と大学が対応していきたい」(支援事業統括責任者の木下正信・首都大学東京健康福祉学部長)として、東京都と首都大学東京が支援に乗り出す方針を決めた。
 東京都はアジア地域との連携強化を目指す施策の一つとして、「アジアの将来を担う人材の育成」を掲げており、看護師候補者の学習支援もその一環。年間1億円、3年間で3億円を支出する。
 来日前の支援として、首都大学東京が大学間協定を結んでいるインドネシア教育大と連携。日本語や日本文化から国家試験対策などの授業をインターネットを通じて放映し、サーバーに保管した授業を、今後は他大学の看護学科の学生へ提供していく方針だ。
 来日後の日本での学習支援では、首都大学東京の荒川キャンパスで学習会を月に1回開催していく。第1回学習会には2010年と11年に来日した看護師候補者18人が参加した。学習会も録画した授業を今後、インターネット上で配信し、全国で働く候補者が無料で学習できるようにする予定となっている。

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