選挙キャンペーン開始 来月11日の首都知事選へ 現職に落下傘候補挑む ファウジ氏「実績」強調 庶民派ジョコウィ猛追

 来月11日投票のジャカルタ特別州知事選の選挙キャンペーン期間が24日、開始した。初めての直接選挙による州知事選出となった前回2007年の選挙では2組の出馬だったが、今回は6組が乱立。前回選挙を制したファウジ・ボウォ州知事に「落下傘候補」として出馬する現職首長らが挑む構図となる。これまでもポスターやイベントへの出席などを通じて実質的な周知活動を行ってきた各候補陣営は、来月7日までの2週間は規模を拡大して正式に選挙戦を展開する。7日から投票日までは選挙キャンペーンの冷却期間となる。

 選挙キャンペーン期間が始まった24日、選挙用のポスターや横断幕がこれまでの路地裏だけでなく、表通りにも掲げられるようになった。
 知名度が高く、各世論調査でも優勢を保っているファウジ候補組(民主党など推薦)は24日昼過ぎ、中央ジャカルタのジャカルタ特別州議会前で選挙公約を演説し、「私はこの部屋に初めて来る人間ではない。これまでもジャカルタを発展させるために州議会と互いに助け合ってきた」と「実績」を強調。
 「先進、安全、福祉」の三つをキーワードを政策の基本として挙げ、貧困層向けの公共住宅の提供や水道網の整備による洪水対策などを列挙。渋滞対策としては16年に運行開始予定のMRT(大量高速交通システム)と現在整備中の高架式道路を挙げ、公共交通機関の整備を今後も進めていくと強調した。
 対抗馬筆頭とみられている現職の中部ジャワ州スラカルタ(ソロ)市長のジョコ・ウィドド候補組(闘争民主党など推薦)は、公共バス「コパジャ」に乗ったりワルン(食堂)で市民とともに食事をするなど、「庶民派」イメージを売り出し、認知度を急速に高め、ファウジ氏を追いかけている。
 ジョコウィ氏は同日、州議会で「新しいジャカルタ、近代的で整備されたシステムを持つ都市」を掲げて演説。「大きな予算があるにもかかわらず、バス専用道を例に取ってみても、この5年間で1路線しか増えていない」と述べ、都市整備に効果的な予算の使い方ができていないとファウジ氏の現州政を批判。当選した場合はバス専用道を走るトランスジャカルタの車両を千台増やすほか、乗用車を使用しない移動方法を推奨するなどの具体策を実施していくと訴えた。
 州知事選にはファウジ、ジョコウィ両氏のほか、動員力を駆使した選挙戦を展開している福祉正義党(PKS)候補のヒダヤット・ヌルワヒッド候補組、現職の南スマトラ州知事のアレックス・ヌルディン候補組、政党から推薦を受けない「独立候補」のファイサル・バスリ、ヘンダルジ・スパンジ両候補組が出馬している。

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