テロ組織メンバーが仮釈放 ウマル・パテク受刑者 バリ島爆弾テロ事件
バリ島クタ地区で2002年に起きた爆弾テロ事件で、爆弾の製造に関与していたとして禁錮20年を言い渡されたウマル・パテク受刑者が7日、恩赦で東ジャワ州スラバヤ市内の刑務所から仮釈放された。地元メディアが報じた。
これを受けてオーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は、「多くのオーストラリア国民が胸を痛める日となった」と批判している。バリ島の自爆テロでは邦人2人のほか、オーストラリア人も88人が犠牲になった。
ウマル受刑者は東南アジアのテロ組織「ジェマ・イスラミア(JI)」のメンバー。逃亡先のパキスタンで拘束され、インドネシアに送還された。
ただ、ウマル氏は仮釈放後も思想矯正プログラムを2030年まで受ける義務があり、違反行動があれば恩赦は取り消される。
オーストラリアのマールズ氏は「インドネシア政府にウマル受刑者を注意深く監視するよう(外交ルートを通じて)要請した。オーストラリアから受刑者を監視する使節団を派遣する用意がある」と述べた。
インドネシアでは7日、西ジャワ州バンドン市の警察署で、体に巻き付けた爆弾で男が自爆した。警察は自爆テロとみている。(センディ・ラマ)