パテック被告に禁固20年 「最後の大物テロリスト」 バリ島テロなど9件関与 西ジャカルタ地裁

 2002年のバリ島など、計9件の大型爆弾テロ事件に関与したとされ、逃亡先のパキスタンで身柄拘束、送還後、反テロ法違反罪などで起訴されたインドネシア人ウマール・パテック被告(46)の判決公判が21日、西ジャカルタ地裁であり、ウンチャップ・ユリアルディ裁判長は同被告に禁固20年(求刑終身刑)の判決を言い渡した。パテック被告は東南アジアの地下組織ジェマ・イスラミア(JI)の元幹部とされ、米国政府が、逮捕に結び付く有力情報の提供者に100万ドルの報奨金を支払う方針を示すなど、一連の事件での「最後の大物テロリスト」とみられていた。パキスタンやアフガニスタンなど中東を中心に爆弾テロ事件が依然続く中、地元紙では、インドネシアにおけるテロ対策が効果を上げているとする論調も上がった。

 11時間を超える判決文の読み上げで、ウンチャップ裁判長は「(テロ事件への関与は)全証拠に根拠があり、信用できる」と指摘。武器の密輸入などを通じたテロ活動ほう助のほか、爆発物の不法所持、身分証明書などの公文書偽造、テロ活動に関する情報の隠ぺいの罪を認定した。
 パテック被告は公判で、爆弾製造への関与は認めたものの、目的は知らされていなかったと従属的立場を主張していた。
 一方、同被告が公判中、テロによる被害者遺族に謝罪し、反省していることなどを量刑理由とした。
 同被告は公判で、バリ島事件を計画する組織幹部の方針に反対したことを訴えていた。テロ資金はアフガニスタンやパレスチナで使用すべきだと主張していたという。
 弁護側は同被告と相談し、控訴を検討するとしている。
 同被告は、日本人2人を含む202人が死亡したバリ島のテロのほか、2000年のクリスマスイブに全国で同時発生した教会爆弾テロ、アチェでの軍事訓練キャンプ設立などに関与したとされる。逃亡を続けていたが、昨年4月、オサマ・ビンラディン容疑者が殺害されたパキスタンの首都イスラマバード郊外のアボタバードで逮捕された。
 バリ島爆弾テロをめぐっては、実行犯とされたアムロジ元死刑囚(08年執行)ら死刑執行された3人のほか、ヌルディン・トップ容疑者らが捜査当局により射殺されている。
 1審判決とはいえ、主犯格とされた男はいずれも死刑執行や射殺されており、今回の判決で事件は一定の区切りを迎えた。
 英字紙ジャカルタポストは判決を受け、21日付の社説で、「厳格な法執行を通じてテロと戦う責任を果たしていることを世界に示している」と賞賛。国家テロ対策委員会と警察、国軍が協調してテロ対策を進めていることも評価した。
 一方、当局は20日、北スマトラ州メダンで資金獲得活動を行っていたテロリストと見られる集団を摘発したと発表。同紙はテロ組織の規模は縮小傾向にあるが、サイバー犯罪を通じた巧妙な資金獲得など、インドネシアでのテロ組織の活動が変質していることを危惧。包括的な対策には、刑事手続きだけでなく、テロの温床になる貧困の根絶と、原理主義を封じ込める質の高い教育など「ソフトパワー」を充実させる必要性を訴えた。

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