上層部拝観、来年再開か ボロブドゥール寺院 観光客回復で懸念材料も
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年以降、閉ざされていたボロブドゥール寺院(中部ジャワ州マグラン県)の上層部拝観が、再開に向けて最終調整が始まっている。
ボロブドゥール寺院の管理担当者によると、再開時期は来年を目指し、受け入れに向けて現在、「人数制限を設けるなど新たな標準業務手順書(SOP)を作成している段階にある」という。
上層部の拝観料をめぐっては、ルフット・パンジャイタン海事・投資調整相が6月、インドネシア人が75万ルピア、外国人は100ドル(約144万ルピア)とする値上げ計画を発表。しかし、観光業界などから反発の声が上がり、値上げは棚上げとしていた。
これについて地元では、「外国人の料金を100万ルピアまで上げることはなく、50万~60万ルピアに抑えるだろう」という見方が一般的という。
その反面、再開に向けて最大のネックになっているのは、観光客のマナーの悪さから寺院の損傷が目立つようになっていた問題だ。
寺院側は「ビーチサンダルや運動靴ではなく、ウパナト(生地の柔らかい特別な靴)を履くことを推奨している。遺跡に腰掛けないよう呼びかけているが、守らない観光客がいる」と頭を悩ませている。寺院を取り囲む庭も「観光客が減ってきれいになったが、観光客の回復で再びごみが溢れるのではないか」と懸念は尽きない。
観光当局の関係者らは受け入れ再開を実現するためにも、「ボロブドゥール寺院は仏教徒のもの。まずは仏教徒のためにボロブドゥール寺院を守らなければならない」と口をそろえ、寺院は一般の観光拠点とは異なり、まずは宗教施設であることを理解してほしいと訴えている。(ジョクジャカルタ=青山桃花、写真も)