「大統領の過ち正す」 犯人はイスラム強硬派 イスタナ侵入事件
国家警察のデディ・プラスティヨ広報部長は26日、じゃかるた新聞の取材に応じ、拳銃を手に25日、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)への侵入を試み、その場で現行犯逮捕された女の身元などを明らかにした。
デディ氏によると、自供から名前はシティ・エリナ容疑者(24)で、イスラム強硬派団体「ヒズブット・タフリル・インドネシア(HTI)」のメンバーだった。犯行目的については、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と「面会するため」と供述しているという。
シティ容疑者は取り調べに対して「イスラム思想を差し置き、パンチャシラ(建国5原則)思想を選ぶジョコウィの過ちを正すため、議論したかった」と話しているという。
自供によると、シティ容疑者は北ジャカルタ・コジャ在住のメイドで、犯行に使った拳銃は元陸軍兵士の叔父が所持していたものを無断で持ち出したという。拳銃はベルギー製の自動拳銃「ファイブ・セブン」で、国家警察や国軍の装備品という。
シティ容疑者が所属していたイスラム強硬派団体HTIは、ジョコウィ氏が2017年7月に強制解散させた。その理由について大統領は当時、活動がパンチャシラ精神に反し、イスラム国家の樹立やシャリア(イスラム法)の法制化を主張しているため、としていた。(センディ・ラマ)