即席麺値上がりか 小麦価格急騰  CPI、7年ぶりの高水準

 シャフルル・ヤシン・リンボ農相は9日、即席麺の価格が近日中に3倍に上がる可能性があることを明らかにした。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で小麦価格が世界的に高騰しているため。また、7月の消費者物価指数(CPI)伸び率(インフレ率)が4・94%まで上昇。2015年10月以来の高水準となっている。地元メディアが報じた。

 シャフルル氏は「ロシアの軍事侵攻により、ウクライナから小麦約1億8000万㌧が輸出できなくなっている。極端な言い方をするが、即席麺の販売価格が3倍になる可能性がある」と述べた。
 インドネシアは輸入小麦の34%をウクライナに依存している。ロシアの軍事侵攻が始まって以来、国内の即席麺やパンの価格が高騰すると危惧されていた。
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領も7月、国内備蓄が尽きれば、「パンや即席麺などの価格が高騰する可能性がある」と警鐘を鳴らしていた。
 また、中央統計局(BPS)が行った1日の発表によると、国内における7月のCPIインフレ率は前年同月比4・94%に達している。
 コロナ禍で停滞した経済活動の再開で、先進国の需要が急回復。しかし、ウクライナ問題を含めた深刻な供給制約に阻まれて需要に供給が追いつかず、先進国を中心に記録的な物価上昇が続いている。
 これに引っ張られる形で国内でもインフレ圧力が強まっており、7月の前月比インフレ率を項目ごとに見ると、「飲食物」が1・16%と最も高かった。
 続いて「住宅・電気・水道・家庭用燃料」が0・47%、「教育」と「飲食業・レストラン」が0・34%、「レクリエーション・スポーツ・文化」は0・33%、「セルフケア・その他サービス」が0・27%などとなった。
 最もインフレ率が高かった「飲食物」の項目について、BPSのマルゴ・ユウォノ長官は「赤唐辛子、赤たまねぎなどの価格高騰がインフレ率上昇の引き金となった」と分析している。即席麺の価格が3倍となれば、売り惜しみや買い占めなどの市場混乱が起きる可能性もある。(長田陸)

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