政府決定に不満噴出 人員整理の非正規公務員

 政府は来年11月28日以降、非正規公務員の雇用枠を廃止する。その理由について政府は、雇用条件が悪い非正規雇用を減らして正規公務員として迎えたいというが、正規公務員の採用は狭き門だ。現実は大規模なリストラ断行となるのは避けられそうになく、ブカシ県庁で働く非正規公務員に現在の心境を聞いた。 

 コタ・デルタマスにあるブカシ県庁に勤めて3年目になる非正規公務員のワヒューさん(38)。「公務員試験の難易度は高く、合格するのは至難の業。この年齢で試験に挑戦するのも新しい仕事を探すのも難しい」とため息まじりに話す。
 ワヒューさんの月給は約200万ルピア。副業としてワルン(屋台)でたばこを売り、生活の足しにしているという。「副業で得られるのは月200万ルピアほどと恵まれていると思う。しかし、周囲をみると副業をしたくても、見つからない同僚が多い。非正規公務員としての職を失えば、完全失業してしまう」。
 休日は配車大手グラブタクシーの運転手として働く、ブカシ県庁観光文化課に所属する非正規公務員のアルヤさん(38)は政府の一律的な対応を批判する。
 「非正規公務員を廃止するならば、勤続年数が長い非正規公務員は試験免除で公務員に迎え入れるべき」
 アルヤさんによると、ブカシ県庁では正規公務員が約1000人、非正規公務員約2000人が勤務しているという。「非正規公務員の採用枠を廃止するなら、失業者がどっと増えるだろう。残った正規公務員の負担も倍増するだろう」。
 一方、ブカシ県庁の人口・市民登録課に所属する非正規公務員のアディトヤさん(40)は「公務員試験は受けず、これを機に新しいビジネスを始めたい。試験を受けても採用される可能性は低く、失業すれば家族を養えない」と憤まんやる方ない様子だ。
 非正規公務員の採用枠廃止まで残り1年4カ月。政府は今のところ方針を変更する姿勢は見せていないが、雇用確保に躍起の政府自らが失業者を大量に出せば、国民の信頼を失う。どう落とし所を見つけるのか、今後の対応が注目される。(センディ・ラマ)

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