サバ州の収容所で「拷問」 大使館は反論 「149人死亡」
市民団体の移住労働者連合(KBMB)は25日、マレーシア・サバ州にある州政府が管理するタワウ収容所で昨年3月から今年6月までの間、インドネシア人149人が死亡したと発表した。死因の多くは新型コロナウイルス感染や心臓発作などだが、「拷問を受けた」との証言もあるという。地元メディアが報じた。
KBMBによると、同州政府は2020~22年、インドネシア人を含む外国人1万2800人を不法滞在などの疑いで身柄を拘束。このうち7673人を国外追放処分とし、残る人々は同収容所に収容された。
ところが、KBMBメンバーのアブ・ムファキル氏によると、「インタビューした全労働者が病院に運ばれるのは、重症化した時に限られると説明している」という。出稼ぎ労働者のスディルノさん(43)は、「収容所で非人道的な扱いを受けた。殴られ、拷問を受け、食に適さない食べ物を与えられた」と供述している。
これに対し、ジャカルタにあるマレーシア大使館は28日、ステイトメントを文書で発表。これによると、インドネシア人が死亡したとされる149人という数字は、同収容所における収容外国人の総数であるとした。また21年に同収容所で死亡したインドネシア人は18人、今年は6月までに計7人が死亡したと発表した。 (センディ・ラマ)