無言貫く谷口容疑者 入管「国外追放する」 オレンジ色のシャツ着用
持続化給付金の不正受給事件に関わったとされる谷口光弘容疑者(47)。22日未明、南ジャカルタ・クニンガンにある入国管理局の正面玄関から、両脇の入管職員2人に肩をつかまれて姿を現した。
入管が勾留者に着せるオレンジ色のシャツをはおり、うつむきながら、取り囲む報道陣による日本語の質問にも答えることなく、終始無言を貫いた。
谷口容疑者を連行した入管幹部は「容疑者は(ランプン州における)居住許可書を所持していなかった。国外追放する」と処分を説明。両目を充血させた谷口容疑者は、時折正面を向き、マスク越しだったが緊張感が漂っているように見えた。
その後、用意された黒色の自動車に乗り込み、スカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン)に向かった。入管を出てから自動車に乗るまで約5分だった。
入管は当初、谷口容疑者の護送は午前3時45分と予告していたが、日本の民放各局を中心に午前2時前には報道陣が続々と集まり始めた。
このため入管は取材現場を離れられない報道陣を気遣い、飲料水と温かい食べ物を提供。この厚遇ぶりに日本やタイから応援に入った邦人記者が驚きの声を上げるなど、微笑ましい一面もあった。(長田陸)