15日から頭金規制 自動車販売 87万台に下方修正 各方面で影響の予測
今月15日から、二輪、四輪、住宅に対する頭金比率の規制が開始される。世界経済が不安定な状況が続いていることから、中銀と大蔵省は、急激な消費者ローンの拡大が金融業界のリスクを増大させ、国内経済に悪影響を及ぼすのを避けようと、規制の導入に踏み切った。二輪車、自動車業界は今年の販売予測を前年割れに下方修正。シェア9割以上を占める日系メーカー各社は、インドネシアでの増産体制構築を進めており、今後の自動車市場の動向が注目される。
中銀のムリアマン・ハダッド副総裁は7日、「施行延期の予定はない」と述べ、15日からの施行を改めて強調。「購買力を低下させるというよりは、自動車や家を買う時期が遅くなる影響が出るとみている。しかし、消費者の強固な需要は持続するだろう」と述べた。
新規制では、銀行が提供する住宅ローンについて、物件価値の70%以下としなければならないことを定めた。70平米以下の面積の住宅のほか、ルコ(住宅付き店舗)と事務所は対象外となる。
不動産開発業者協会のスティヨ・マハルソ会長は、30万戸としていた今年の住宅販売目標が、規制の導入により難しくなるとの見通しを明らかにした。
同会長は、面積に応じた規制ではなく、販売価格に応じた基準を設けるべきとの考えを表明。価格基準への変更か施行延期を求める中銀への嘆願書に1300の不動産関連業者が署名したと語った。
自動車分野では、公共交通などの条件を満たしている商用車では20%、そのほかの自動車では30%以上の頭金が必要となる。
インドネシア自動車工業会(ガイキンド)のスディルマン会長は、ブルームバークに対し、2012年の新車販売を、昨年の89万台を下回る87万5千台程度と予測していると明らかにした。スディルマン会長は「頭金規制で、今年下半期は25%程度の販売落ち込みもあるだろう」と話し、多くのメーカーが工場での残業を減らすことになるとの見通しを示した。
二輪車では、銀行がローンを提供する場合の頭金は25%以上とすることが義務付けられる。インドネシア二輪車製造業者協会(AISI)のグナディ・シンドゥウィナタ会長によると、現在は二輪車購入者のうち約65%が、頭金10―15%で購入。今回の規制を受け、今年の販売予測は前年比21%減の630万台まで急減するとの懸念を示した。