一部住民がパニック化 中学校で屋根崩落も
「人々は津波から逃れようと逃げ惑い、住民の一部はパニックに陥った」。地震発生直後の様子について、東ヌサトゥンガラ州フローレス島に住むケビンさんは、じゃかるた新聞の電話取材に応じ、興奮気味に話した。
続く津波警報の発令でケビンさんは、「とにかく高い場所を目指して走ったが、その間も4~5回の余震を感じた」という。
一方、同州ナゲケオ県の病院で働くサンティさんは、電力供給も正常に行われており、病院施設そのものの被害はなかったとした。しかし、地震直後は「治療中の患者を優先避難させるの決まりだが、(建物の倒壊を恐れて)患者は次々と病院から飛び出した」と院内の混乱ぶりを話した。
震源地から北西100キロあまりのフローレス海に浮かぶ南スラウェシ州スラヤル島でも、強い揺れが観測されており、住民は混乱した。
同島パシルマンヌ地区の中学校教師、バハルさんは「地震発生で授業は中断。生徒たちを安全な場所に避難させようとしたが、校舎の壁や屋根が崩れ始め、生徒たちは恐怖から悲鳴をあげた」と話した。
ただ、時間の経過とともに現地は徐々に平静と取り戻しつつあり、国家捜索救命隊(BASARNAS)の広報責任者、ムクティ氏によると、「(スラヤル島では)今のところ港の水位に異常はなく、海面も正常に戻っている」という。(センディ・ラマ)