世代を超え歴史継承を 有志とカリバタ参拝 福祉友の会
独立戦争を戦った元残留日本兵の子孫による組織「福祉友の会」は12日、邦人有志とともにカリバタ英雄墓地(南ジャカルタ)に眠る元残留日本兵の墓を参拝した。4回目となる今回は、約50人が参加して墓前に献花した。
この日は参拝を前に同会が進める元日本兵たちの軌跡をデジタル資料として残す「残留日本兵資料館」に関する説明会を開催。この中でプロジェクトの中枢メンバーとなるミエ学園小倉みえ基金のマリコ・スルヤントさんは、「残留日本兵の功績を後世に残していく必要がある。歴史を継承する転換期を迎えている今、世代間の交流の場が必要となる」と訴えた。参加した邦人有志がマリコさんの呼びかけに耳を傾けた。
続くカリバタ英雄墓地での参拝には同会のヘル・サントソ衛藤会長も合流。残留日本兵の墓に献花し、参加した有志らに謝意を示した。参拝には三世も加わり、世代を超えた交流の場となった。
ヘル氏はまた、9日に91歳で逝去した母、ネリワティさんを悼み、同墓地に眠る父、衛藤七男さんの墓前に報告をした。
インドネシアは今年で独立から76周年となり、元残留日本兵の最後の一人である小野盛さんが逝去して7年が経つ。長い年月の経過に伴い、福祉友の会は継承活動の担い手は若い三世、四世にバトンタッチすべきと認識。資料館の創設などを通じて歴史を後世に伝え、同時に日イ両国の関係がより密接になることを期待している。(長田陸、写真も)