第2工場を着工 ホンダプロスペクト 年産3倍の18万台へ 本社の伊東社長「潜在性高い市場」
ホンダの四輪車製造・販売法人、ホンダ・プロスペクト・モーター(HPM)社は4日、西ジャワ州カラワン県ミトラ・カラワン工業団地の既存工場敷地内で、インドネシア第二工場のくわ入れ式を開催した。来イしたホンダ本社の伊東孝紳社長は「インドネシアはポテンシャルの高い市場」と述べ、インドネシアを一層重視していく意向を示した。新工場が稼働する2014年には、生産能力が現状の3倍となり、インドネシア市場での一層の販売増を目指していく方針だ。
式典には、工業省のブディ・ダルマディ最先端技術活用主要産業総局長、商業省のデディ・サレ対外貿易総局長、鹿取克章・駐インドネシア日本大使、アデ・スアラ・カラワン県知事のほか、ホンダ本社の伊東社長、小林浩常務執行役員・アジア大洋州本部長、アジア・ホンダ・モーターの伊東勲取締役、HPM社の内田知樹社長らが出席した。
3兆1千億ルピア(約255億円)を投資した新工場は、2014年の稼働開始を予定。年間生産能力は12万台で、既存工場の6万台と合わせると、年間18万台となる。
総面積51万2500平米の既存工場敷地内に、建屋面積9万5千平米の新工場を建設。既存工場の建屋面積は約9万7500平米。
新工場では2車種の生産を予定している。一つは、アジア戦略車の小型車「ブリオ」。今年中にタイからの完成車(CBU)輸入を始め、来年から既存工場での生産を開始する。
もう一車種は、ブリオをベースとした多人数乗り小型MPV(多目的車)となる予定。国内市場で圧倒的な存在感を示している「アバンザ」を展開するトヨタと「セニア」を手掛けるダイハツ、そして新たに「エルティガ」を投入したスズキなどがひしめく、市場の最大セグメントに名乗りを上げる。
伊東社長は「インドネシアは昨年、東南アジアで最も大きな自動車市場となった。ホンダにとって大変重要な市場」と強調し、「インドネシアの顧客が求める商品を、早く、安く、低炭素で供給していく」との意向を示した。政府がまとめている「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」も視野に入れながら、生産体制を整え、現在約50%の現地調達率を80%まで高める方針だ。
HPM社の内田社長は、15年に販売台数を21万台まで引き上げる目標を明らかにした。