レンバンまで足を伸ばして 写真撮影や食事を楽しむ休日 水上マーケット
新型コロナウイルスのワクチン接種などを証明する保健アプリ「PeduliLindungi(プドゥリリンドゥンギ)」の導入で、政府は観光地の門戸を開き始めた。そこで西ジャワ州バンドン県にある観光地「フローティング・マーケット・レンバン」に訪れてみると、多くの家族連れやカップルなどで賑わっていた。
国内では9月を境に新型コロナの感染者数が一気に減り始めた。9月25日、フローティング・マーケット・レンバンでは写真撮影や食事を楽しむ人々が繰り出しており、市民の活動が徐々に動き出しているのを肌で感じた。
フローティング・マーケット・レンバンは、日本の京都をイメージしたエリアがあるなど、いわゆる写真映えするスポットが充実している。ボートでピサンゴレン(揚げバナナ)やサテ(串焼き)、バッソ(肉団子)などの食べ物を売る水上マーケットエリアなども市民には人気のようだ。
ユーチューバーだろうか。日本の着物を着て動画撮影をする人もいた。人それぞれの楽しみができる空間である。
水上マーケットエリアでは、現金が使えず、飲食にはまず専用コインに交換する必要がある。普段、日常生活で見かける食べ物や飲み物以外にも、珍しいものもあった。特筆すべきはレンバン特産の牛乳だ。
地元紙によると、オランダに植民地支配されていた時代、オランダ人に牛乳を供給するためにレンバンで酪農が始まったという。国内の他地域と比べ、標高が高いレンバンは冷涼な高原地帯で、酪農に適していた。現在もそのなごりでレンバンでは酪農が行われている。
実際に飲んでみると、スーパーマーケットやコンビニで購入する牛乳と比べて味が濃く、とてもおいしい。牛乳はチョコレート味やいちご味のシロップ入りになるが、もちろんプレーンで注文することもできる。
フローティング・マーケット・レンバンへ向かう道中には、レンバン特産の牛乳を使ったケーキを販売する土産物店が点在している。また、バンドン市までは車で約30分ほどだから、市内に戻ってスンダ料理を堪能することもできる。
ワクチン接種が前提条件となり、感染への予防策が必要であることは言うまでもないが、規制が緩和に向かう中、高原の町レンバンまで足を伸ばして休みの日を満喫するのはいかがだろうか。(長田陸、写真も)