失われた原風景
マグラン(中部ジャワ州)からジョクジャカルタまでのドライブはいつも楽しかった。自然の風景に心が和む。早朝の太陽に照らされるムラピ山。それはそれは美しかった。今から30年ほど前の話だ。
残念ながら、道路から見渡す田んぼは消え、商店が並ぶ風景に置き換わった。スンビン山やシンドロ山を遠望できるのが自慢のマグランにある祖父の家は、足元には田んぼが広がり、緑の絨毯となる。しかし今や、従姉妹たちと遊んだ風景は消え、集合住宅に置き換わった。
失われた原風景。とても寂しい思いをしていたが、最近、「スヴァルガブミ(地球上の天国)」という場所が近くにできたそうだ。早速行ってみたが、周囲の自然の美しさは息をのむよう=写真。田んぼやボロブドゥール遺跡を背景に自撮りもできる。
昔の風景を思い出しながら、ほんのつかの間ではあるが、ほっとする一時を過ごすことができた。(ディヤ・トリアルサリ)
× ×
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本欄では同窓会や同好会、同郷会の皆さまからのイベント開催報告の募集を停止しております。これに代わり、暮らしの中で見つけた新たな発見や、インドネシア生活で感じたこと、思い出などについてのご寄稿を募集します。
原稿は写真1枚付き。文末に氏名かペンネームをご記載ください。掲載時は12文字詰で20~60行程度になるよう、編集させていただきます。
投稿は担当者(メールjalanjalan@jkshimbun.com)まで。ご応募お待ちしています。