資源大国の底力

 5年ほど前の旧社時代、スマトラ島に出張する機会があった。インドネシアの大手財閥、シナルマス傘下の製紙会社が手がける植林事業を取材するためだった。
 スカルノハッタ国際空港から国内線に乗り継ぎ、リアウ州プカンバルの空港に着陸。タラップで地上に降り立つと、担当者からヘルメットを渡された。駐機場にはシナルマスが保有する防災ヘリが待機していた。
 気分はエアーフォース・ワンからマリーン・ワンに乗り換える米国大統領? 軍用ヘリには何度もお世話になったが、民間ヘリは香港返還取材で乗った総督専用機が最後。東京からの長旅で疲れていたが、がぜんやる気が出てきた。
 高度は300メートルを保持。パイロットは私の指示通り、飛んでくれた。しかし、行けども行けども、見渡す限りユーカリとアカシアの植林=写真。地平線の先はマラッカ海峡というところまで来たが、やはり延々と植林地が続いていた。
 植林地を管理しているのはAPP。中国とインドネシアに生産拠点を持つ、世界最大級の総合製紙メーカーだ。
 これだけの植林地を抱える製紙メーカーは、他にあるのだろうか? 広大な土地だけではない。熱帯特有の強烈な日差しと豊富な雨量という自然の恵みもあり、植林から伐採までわずか6年周期という成長の早さ。「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けた企業努力が求められる中、資源大国・インドネシアの潜在力を垣間見る空の旅だった。(じゃかるた新聞=長谷川周人)
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