フライトレコーダー発見 スホイ機の捜索終了 尾翼から20メートル 目立った損傷なし 解析で事故原因究明へ

 乗客乗員45人が全員死亡したロシアの小型旅客機「スホイ・スーパージェット(SSJ)100」が墜落した5月9日の事故で、国家捜索救助庁は31日、捜索を続けていたフライトデータレコーダー(FDR)を30日夜に発見、回収したと明らかにした。乗組員の通信音声を記録したコックピットボイスレコーダー(CVR)はすでに回収し、FDRの発見で、事故原因の究明に必要な記録装置はそろった。ジャカルタで行う予定の解析には1年間かかるとみられる。
 同庁は同日、墜落現場付近で進めていた機体の残骸の回収作業を終えた。
 捜索に参加していた地元住民が、土に埋まっているFDRを発見。装着されていた尾翼の回収現場から約20メートル離れていた。

 発見されたFDRには目立った損傷がなく、オレンジ色の塗装が剥げている部分も少なかった。国家安全運輸委員会(KNKT)はデータの読み出しに向けた作業を進める。スホイ社によると、FDRは2009年にロシア国内で製造された。
 安全運輸委によると、解析にはスホイ社の専門員2人が参加。主にロシア語の翻訳を担当するという。
 FDRには、飛行時の速度や高度、風速などのほか、エンジンの排気ガス温度やタービン回転数など機体の動作に関係するさまざまなデータが記録されている。

■離陸後30分で墜落
 マンギンダアン運輸相は28日、国会第五委員会(運輸・インフラ担当)で事故状況を説明。デモ飛行中、パイロットが墜落直前に360度の宙返りの許可を求めていたことを明らかにした。
 事故当日に行われた1回目の飛行は順調だったが、2回目は午後2時21分、東ジャカルタのハリム空港を離陸して5分後の同26分、パイロットが通信で1万フィートから6千フィートに降下する許可を求め、さらに同30分、西ジャワ州ボゴール県のアタン・サンジャヤ上空で、360度回転の許可を求めた。離陸から30分後の同52分、スカルノハッタ空港管制塔のレーダーから姿を消した。
 搭乗者45人の遺体はすでに遺族に引き渡された。遺族補償では、アレクサンダー・イワノフ駐イ・ロシア大使が、遺族側が求める12億5千万ルピア(約1千万円)を支払うと明言した。

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly