聞こえる感染の足音

 新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、政府がようやく重い腰を上げた。行動規制の大幅な強化。3日から一般企業の在宅勤務率を100%に引き上げ、店内飲食は昼夜を問わず禁じた。政府が言及を避けてきたロックダウンが実質的に始まったと言えよう。
 期限は20日までとされているが、庶民の間に漂うのは期待ではなく諦めムード。この状況はしばらく続くとみているようだ。
 実は感染が始まってこの1年4カ月、大量高速鉄道(MRT)を利用する機会がなかった。人との接触を避けるには車やオートバイの移動が安全と考えたからだが、制限強化を翌日に控えた2日、夕方の退勤時間帯に乗ってみた。
 乗車駅は最北端の始発駅、ブンダランHI駅。コロナ禍が始まる前なら、タムリン通り周辺に勤務するオフィスワーカーらで混雑していたはずだが、乗客は予想を上回るレベルで少ない=写真。ブロックM駅まで乗ってみたが、この車両で乗降した利用者は8人しかいなかった。
 たった1回の利用をもって何かを語るのは、かなり無理がある。けれども、金曜日の夕方、しかも制限強化前にもかかわらず、公共交通機関の利用をこれだけ多くの人が手控えているとは、いささか驚いた。
 同時に歓迎もしたい。1日の新規感染者は2万人を越え、感染の足音はすぐ身近でも聞こえるようになった。政府はワクチン接種による集団免疫の確立を急ぐが、やはり人の流れは一時的に管理する必要があるのだろう。(じゃかるた新聞=長谷川周人)
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